シャンパン

シャンパンの等級

シャンパンには「プレステージシャンパン」、「ヴィンテージシャンパン」、「ノンヴィンテージシャンパン」の3種類があります。

どのように等級が分けられているのか解説していきます。

プレステージ

プレステージシャンパンは、シャンパンの生産者が特別な思いや高い技術をもって造る最高級のシャンパンのことを指します。

通常よりも長い年月をかけて熟成されるなどのこだわりが詰まったシャンパンであるため、非常に希少性が高いものになります。

フランス語でプレステージは「権威」という意味であり、従来は主賓用に生産されたもので市場に出回ることもほとんどありませんでしたが、現在は各メーカーが力を入れて生産しています。

主なプレステージシャンパンは、モエ・エ・シャンドン社の「ドン・ペリニヨン」やペリエ・ジュエ社の「ベルエポック」、ルイ・ロデレール社の「クリスタル」などがあります。

ヴィンテージ

ヴィンテージシャンパンは、その年に収穫されたブドウしか使わないため通常のシャンパンよりも高価なものになります。

ブドウの出来がいい年にしか造ることができなく、3年以上熟成するため希少価値が高くなります。

生産年が記載されているシャンパンはヴィンテージシャンパンです。

ノンヴィンテージ

ノンヴィンテージシャンパンはヴィンテージシャンパンと違い、色々な年のブドウをブレンドして造られています。

ブドウの収穫の良し悪しに左右されず、毎年安定的に生産することができるのがノンヴィンテージシャンパンの特徴です。

シャンパンの8割はノンヴィンテージシャンパンで、収穫年がボトルに記載されていないものになります。

その他のシャンパン

「ミレジメ」という種類がありますが、これはヴィンテージシャンパンと同義です。

特定の年に収穫されたブドウが80％以上使用されているシャンパンで、生産者の威信をかけて製造されており高級なシャンパンになります。

シャンパンの買取価格の相場は？

シャンパンの買取価格は、数千円から数十万円まで幅広いため一概に相場を決めることはできませんが、以下に一例を挙げます。

ヴーヴ・クリコ	1,000円程度
クリュッグ（クロダンボネ）	20万円以上
サロン	2～3万円
ドン・ペリニヨン（ロゼ）	1万円以上

シャンパンの銘柄や種類、年代によって買取価格は異なりますが、非常に高い価値が付くと言えるでしょう。

高価買取されやすいシャンパンの種類は？

買取価格はシャンパンの種類によって大きく変動します。

高価買取されやすいシャンパンについて解説していきます。

ドン・ペリニヨン

ドン・ペリニヨンはモエ・エ・シャンドン社で造られている最高級のシャンパンです。

日本では「ドンペリ」と呼ばれることが多く、お酒に詳しくない人でも耳にしたことのある名前だと思います。

ドン・ペリニヨンはプレステージシャンパンに該当し、さらにヴィンテージシャンパンでもあります。

つまり、モエ・エ・シャンドン社の最高級シャンパンであり、単一年のブドウから造られているということです。

さらに、熟成期間が最低でも8年必要なため、長期にわたって管理する必要があることも高い価値を生む要因です。

シャンパン・クリュッグ

シャンパン・クリュッグは「シャンパンの帝王」とも称される世界一のシャンパンです。

一次発酵はすべてフレンチオークの小樽を使用しており、天候に左右されやすく手間とコストがかかる製造方法であることが特徴です。

職人が手間暇かけて造っており、市場に出回る数が少ないことから高価なシャンパンとなっています。

アルマン・ド・ブリニャック

アルマン・ド・ブリニャックはキャティア社が製造するシャンパンです。

アルマン・ド・ブリニャックのうちの一つである「アルマン・ド・ブリニャック ブリュット ゴールド」は、世界の評論家やソムリエのブラインドテイスティングによって決定される「100 Best Champagne For 2010」で、1,000種類以上のシャンパンの中から見事1位を獲得しています。

日本では高級クラブを中心に人気が高く、カラフルなボトルは「アルマンド信号機」とも呼ばれ、SNSで映える華やかなボトルデザインになっています。

ルイ・ロデレール

ルイ・ロデレールは、「世界で最も賞讃されるシャンパーニュ・メゾン」で1位を獲得しています。

農家からブドウを買い付けて製造されることが多い中、ルイ・ロデレールは自社でブドウ栽培から行っています。

畑の15％でオーガニック栽培をしており、管理に手間のかかるリザーブワインを150樽程保管するなど、創業以来のこだわりが詰まっています。

サロン

1つの畑のみで作られた白ブドウのシャルドネを100％使用しています。

ブドウの出来がいい年にしか造られず、非常に希少性が高いことも特徴の一つです。

最低でも8年は瓶内熟成され、ブドウの収穫から数えると製造に10年以上かかることになります。

ヴーヴ・クリコ

ヴーヴ・クリコは「クリコ未亡人」という意味で、2代目のフランソワ・クリコが若くして亡くなった後、妻のマダム・クリコが後を継いだことからこの名前が付けられています。

イギリスのエリザベス2世にも気に入られ、英国王室の御用達として有名になりました
。

ヴーヴ・クリコのシャンパンの特徴は、初回の圧搾のみを使用している点です。

ローラン・ペリエ

ローラン・ペリエは世界で最も影響力を持つといわれているワイン評論家のロバート・パーカー氏の「ワインバイヤーズガイド」で最高得点の5つ星を獲得しています。

英国のチャールズ皇太子のお気に入りのシャンパンとして有名で、世界中のホテルやレストランで採用されています。

一番搾りの果汁のみを使用して造られており、最低4年間熟成させる必要があるのも特徴です。

アルフレッド・グラシアン

アルフレッド・グラシアンはすべて樽で熟成し発酵させるという非常に伝統的な方法で、手間ひまかけて造られています。
このような製造方法で造られるシャンパンは数えるほどしかありません。

代々付き合いの続いているブドウの栽培家からブドウを仕入れており、シャンパンが完成すると栽培家とともに試飲をしてその味を確かめるそうです。

アラン・ロベール

アラン・ロベールは、自社の畑で栽培したシャルドネのみを使用し、長期間熟成させて造られています。

通常750mlのボトルで製造されることが多いですが、倍のマグナム・ボトルの方がより熟成の状態が良くなるため、マグナム・ボトルでの製造が多いことも特徴です。

モエ・エ・シャンドン

ドン・ペリニヨンと同じ、モエ・エ・シャンドン社のシャンパンで、日本では「モエ・シャンドン」や「モエシャン」と呼ばれることが多いです。

自社畑を多く所有しており、そのうちグラン・クリュ（特級）が50％、プルミエ・クリュ（1級）が25％と畑の質が高いことが特徴です。

あまり癖のない王道なシャンパンで流通量も多く手に入りやすいものになります。

ペリエ・ジュエ

ペリエ・ジュエは、美しいボトルデザインと繊細な味わいが特徴的なシャンパンです。

その繊細で美しい泡から「芸術品」とも称されて、ボトルデザインは、アール・ヌーヴォーの代表的な芸術家であるエミール・ガレが手掛けています。

辛口シャンパンの起源であると言われ、食事と合うペリエ・ジュエはイギリスを中心に市場を拡大させました。

ボランジェ

ボランジェのブドウのうち約70％は、グランクリュ（特級）とプルミエクリュ（1級）で構成されている自社畑で栽培されています。

オークの小樽を一次発酵から使用しており、樽職人によって4,000以上の樽を使って造られています。

ボランジェは長期保存が可能で、繊細かつ濃厚な味わいが特徴です。

ポメリー

ポメリーは世界87カ国に輸出され、シャンパンの売上は世界6位と非常に評価が高いシャンパンです。

ノーベル賞授賞式の祝賀パーティで使用されており、歴史ある一流ホテルやレストランの多くが加盟している「ルレ・エ・シャトー」の公式パートナーとして登録されているなど、知名度が高いものになります。

アンリオ

アンリオの特徴は、シャルドネの割合が50～60％と非常に高いことです。

法定期間よりも長い期間瓶内熟成をすることで複雑で深みのあるスタイルを確立しています。

パイパー・エドシック

パイパー・エドシックの洗練された味わいは宮廷でも人気となり、王妃マリーアントワネットに献上したというエピソードがあります。

マリリンモンローの御用達でもあり、「毎朝パイパー・エドシックで目覚める」と発言したこともあるほどです。

パイパー・エドシックは自社畑を所有しており、100以上の畑から厳選したブドウを使用しています。

ルイ・ロデレール クリスタル

クリスタルは、200年の歴史をもつフランスのルイ・ロデレール社が製造する最高級シャンパンです。

ルイ・ロデレールの愛好家だった、ロシア皇帝アレクサンドル2世のために作られたもので、高級感のあるクリスタルのボトルに入れられたことから「クリスタル」と名付けられています。

通常のシャンパンより3倍以上の年月を掛けて熟成してあり、グラスに注いでから時間が経つにつれて香りが増すことと、柔らかな口当たりが特徴です。

エンジェル

エンジェルは、英国の人気実業家であるステファノ・ザグニ氏が手掛けた比較的新しいシャンパンで、マライア・キャリーやリアーナのMVに取り上げられたことで人気に火が付きました。

主にクラブシーンやイベント、ギフトなどで活用されることが多く、豪華なBOXと天使の羽がデザインされたボトルが目を引きます。

また、2019年イギリスのワインコンクールにおいてはゴールドメダルを獲得しており、外見に劣らない味のクオリティも人気の秘訣です。

シャンパンの買取について

上記で紹介してきたような高価なシャンパンであっても、必ずしも高値で買取できるとは限りません。

シャンパンの品質以外でも高価買取のポイントがあるため紹介していきます。

また、場合によっては買取が難しいケースもあるため、事前に必ず確認しておきましょう。

高価買取のポイント

高価買取のポイントは以下の4点あります。

保存状態が良い 箱、替え栓等の付属品が揃っている バカラボトル等を使っている 人気がある銘柄や年代

シャンパンを長く自宅で保管している場合は、シャンパンの保存状態が悪くなっていることがあるかと思います。

まずは高価買取ができるような保存状態であるかどうか確認しましょう。

さらに、シャンパンの箱や替え栓等の付属品が一緒に保管されているかどうかも重要なポイントです。

高級クリスタルの世界的なブランドとして知られる、バカラボトルを使用していると付加価値が高まります。

バカラボトルはコレクターの中でも非常に高い評価を受けているためシャンパンの価値も高くなるのです。

最後に、やはり高価なものとなると人気のある銘柄や年代のシャンパンであることが重要です。

お持ちのシャンパンの銘柄や年代を調べ、希少価値が高いものだとその分高価買取できる可能性が高いでしょう。

保存状態のチェック方法

保存状態を確認する際に、まず見てもらいたいのがコルクを包んでいる銀紙が破けていないかという点です。

圧力に負けないように針金で固定されているコルクですが、その針金つきのコルクをうすい銀紙のようなもので包んでいます。

この銀紙が破けていない状態が良い保存状態であると言えます。

付属品について

高額な箱付きシャンパンは、できるだけ売るときにも箱はついたままのほうが高く売れます。

シャンパンの価値はもちろんその品質が高いことが重要ですが、コレクターの中にはシャンパンの箱やその他の付属品に高い価値を感じられる方もいます。

そのため、できればシャンパンの付属品が揃っていると高価買取がしやすくなります。

希少なシャンパンであれば付属品の有無で数万円単位で価格が変動することもありますので、付属品がある場合は必ず一緒に売るようにしましょう。

買取できないシャンパンは？

例え希少なシャンパンであっても、買取できないケースがあります。

基本的に買取できないシャンパンは以下のようなものです。

開封してしまったお酒 致命的な欠け、ヒビなどがある 著しい目減りや液漏れが見受けられる 個人名等が印字されている(法人名はOK)

まず第一に、開封してしまったお酒は買取できません。

必ず封が開いていないことを確認しましょう。

高価買取の条件として「保存状態が良いこと」と説明しましたが、その逆で、ボトルに致命的な欠けやヒビがある等、保存状態があまりにも悪い場合は買取できなくなってしまいます。

容器の保存状態だけでなく、内容量が著しく減っている場合や液漏れが見受けられる場合も同様に買取が難しいと言えるでしょう。

長く保管していると蒸発してしまったり、キャップの劣化から液漏れしてしまうことがあるため、内容量が目減りしていないか確認する必要があります。

最後に、個人名が印字されているお酒は売ることができません。

ボトルに個人名が印字されていないか確認しましょう。