和装小物

和装小物について

和装小物と聞くとどのようなものが頭に浮かびますか？

草履や帯、かんざしなどは比較的有名なので、実際に着用したことがある方も多いでしょう。

和装小物には、着物を着るときに必要な必須アイテムとしての役割をもつものと和装にもっと華やかさをもたらす役割をもつものの2種類があります。

和装小物にはさまざまな種類があり、歴史も深いです。

まずは、和装小物とその歴史について解説していきます。

和装小物とは

和装小物とは、和装をする時に使用される装飾品です。

和装をする時には必ず使用する必要がある小物と、和装をより美しく見せるため小物の2種類があります。

どちらも着物単体で着用するよりも見栄えがよくなるため、和装小物を取り入れることで、より和装の魅力が増すことでしょう。

和装小物の歴史

和装は古くから継承されており、世界を代表する民族衣装の1つです。

着物の発祥は、縄文時代に1枚の布を体に巻き付けて身に着けた巻布衣や、布に頭を通すために穴を開けた貫頭衣が始まりです。

こんなに古い時代から着物らしきものは登場していますが、現代でも着用するような所謂和装の文化が盛り上がっていったのは江戸時代とされています。

もともと男性が戦場で着用していた羽織を女性が着用するようになったのも江戸時代です。

芸者や遊女の間で広まっていったという経緯から、おしゃれとして着物を着こなす人々が増えてきました。

そんな中、和装小物によってこれまでにない、さまざま着こなし術が登場してきます。

そこから和装小物の種類は増えていき、現代におけるまで和装小物の重要性を高めてきたのです。

和装小物の種類と相場

和装小物の種類は多岐に渡ります。

和装小物の種類によって買取価格の相場は変わってきます。

そこで、和装小物の種類とそれぞれの特徴や買取価格相場について解説していきます。

かんざし

かんざしとは、髪の毛を結った後に束ねた髪の毛に挿して髪型を維持したり、髪飾りに使用したりする和装小物です。

江戸中期以降に多彩な髪型が生まれたため、かんざしは髪飾りとして発達していきました。

かんざしの歴史は深く、原材料として漆を塗った木や象牙、鼈甲など広範囲にわたる材料が使用されています。

そのため、使用されている原材料によっても価格は大きく変わります。

かんざしの買取価格相場は1点数百円～数千円とそこまで高額ではありません。

しかし、かんざしは塗物や美術工芸品として高く評価されているものも多く、高額で買取が可能な品もあります。

また、原材料や種類の多さから業者によって査定金額にムラがでてしまうこともあります。

正確な鑑定力が求められる和装小物の一つです。 

帯締め

 

帯締めとは、女性の着物を着付けするために必要な和装小物です。

帯締めのルーツは江戸時代であり、人気の歌舞伎役者が衣装の型崩れを防ぐために帯の上からヒモを締めたことが始まりとされています。

洋服でいうところのベルトにあたります。

帯締めの買取価格相場は、3,000円～5,000円程度と和装小物の中では高額での買取価格に期待ができます。

帯どめ

帯どめは、帯締めでコーディネートされた着物のおしゃれ度をさらにアップさせてくれる和装小物です。

帯締めの上につける装飾品のことを指します。

洋服でいうところの帯締めがベルトなら、帯どめはバックルといったところでしょうか。

帯どめは、完全にアクセサリーとして分類される和装小物なので、和装する上で必須アイテムではありませんが、帯どめの買取価格相場はおおよそ10,000円前後です。

帯どめはあくまでアクセサリーであるため、現代でいえば宝石や指輪をイメージするとわかりやすいです。

希少価値の高い素材が使用されていたり、有名な作家によって作り出されたりした帯どめは非常に高額で取引されるケースもあります。

帯揚げ

帯揚げとは、帯の上の部分を飾る布のことであり、帯枕を包んでいます。

帯枕を隠して帯結いの形を整えることが、帯揚げの役割です。

帯揚げがちらりと見えることで華やかな印象を与えることができます。

細部にまでおしゃれにこだわる繊細な日本文化らしい和装小物といえます。

帯揚げの買取価格相場は1,000円前後です。

細かなおしゃれであり、布製品である帯揚げは、和装小物の中でも買取価格がつきにくいといえます。

草履

草履は、鼻緒が付いている日本の伝統的な履き物です。

帯締めや帯どめ、帯枕などは着物を着用する機会がある方でないと聞き慣れない単語かもしれません。

しかし、草履であればイメージしやすい方も多いことでしょう。

草履の一般的な買取価格相場は数百円となります。

有名ブランドの場合には、数千円で買取されることが多いです。

有名である博多錦や佐藤錦の草履は、一般的な草履と比較して高品質な素材が使用されており履き心地にもこだわっています。

靴に履き慣れてしまった現代人でも履きこなせる有名ブランドの草履は、需要が高く高額での取引に期待ができます。

バッグ

和装におけるバッグは、草履とセットで販売されていることが多いです。

セットで販売されているバッグと草履は、デザインが統一されているため、洗練されたコーディネートを楽しむことができます。

これらに着物を合わせることで、和装全体をさらに華やかにしてくれる和装小物といえます。

そんなバッグの買取価格相場は、3,000円～5,000円程度となっています。

他の和装小物と同じように高級なバッグも存在しています。

黒留袖など格の高い着物を着用する時には、バッグも品格のあるものを選ばなければなりません。

そんな時に、使用される高級バッグには相場価格よりも高額な買取価格に期待ができます。

和装小物の中で高価買取が見込めるものの特徴 

和装小物と一口にいっても数百円のものから数万円の価格がつくものまで買取価格はピンキリです。

そんな和装小物の中でも高額買取が見込めるものには、共通した特徴が存在します。

高額買取が期待できる和装小物の特徴を解説していきます。

 高度な技術を要する精妙なつくりのもの

和装小物は、日本の伝統工芸品という一面があります。

そのため、庶民が使用する和装小物から位の高い人が使用する和装小物まで差が大きいです。

江戸時代、位の高い人々が使用してきた和装小物には、高度な技術が用いられており精妙な作りのものがあります。

例えば、西陣織を使用した高級バッグが挙げられます。

西陣織とは、京都の先染め織物をまとめた呼び名であり、色鮮やさが特徴です。

そんな西陣織を使用したバッグは、高度な技術が必要といえます。

素材そのものに価値があるものを用いた小物：珊瑚や翡翠など

希少価値のある原材料を使用した和装小物も高額買取に期待ができます。

例えば、鼈甲を原材料としたかんざしです。

鼈甲は、タイマイというウミガメの甲羅を原料としているためとても希少性が高い素材です。

現在では、鼈甲の希少価値が高くなったため代替品で作られていることが多いのですが、本来の鼈甲を指す呼び名を本鼈甲といいます。

鼈甲のかんざしの中でも、本鼈甲のかんざしは非常に高額で取引されています。

鼈甲の他にも、珊瑚や翡翠など現代において採取が難しい材料は価値が高いです。

帝室技芸員や人間国宝などの作家物

和装小物では、原材料や技術だけでなく、誰が作ったかで価値が変わります。

日本の伝統工芸品である和装小物には、帝室技芸員や人間国宝が作成した作品があります。

人間国宝とは、日本の文化財保護法に基づいて文部科学大臣が指定した重要無形文化財の保持者の通称であり、聞き馴染みのある方も多いことでしょう。

帝室技芸員は、あまり聞き慣れない言葉ですが、戦前の日本で宮内省によって運用されていた顕彰制度です。

日本の工芸家に帝室からの名誉を与えることで、その技術を保護しようとしましたが、1947年に廃止されています。

このような名誉ある作家が作成した和装小物には、大変希少な価値があります。

例えば、細見華岳氏が作成した帯締めは1本30,000円を超える高額で取引されています。

細見華岳氏は、綴れ織りの分野で唯一の人間国宝であり、細見華岳氏の作品はなかなか手に入れるのが難しい状況です。

このように作者によって取引価格が数十倍も変わることもあるのです。

和装小物を少しでも高く売るなら？

和装小物を少しでも高く売るためには押さえておきたいポイントが3つあります。

そのポイントを解説していきます。

箱などの付属品を一緒に査定に出す

和装小物を新品で購入した時には付属品がついてくることが多いです。

和装小物の付属品には、箱や証明書、栞が挙げられます。

本体のみで査定に出すよりも付属品を一緒に査定に出した方が査定額は高くなりやすいでしょう。

なぜなら、次の買い手から需要が高くなるからです。

有名作家が作成した和装小物であれば、作家の署名入りの箱や産地などの詳細が記載された証明書がついてくることがあります。

これは、作品が本物であることの証明になるため、査定の手助けとなることでしょう。

新しく和装小物を購入した時には、価値を下げないためにも付属品を捨てないように大切に保管しましょう。

 保管状態に注意

本体の保存状態は、査定において大きなポイントとなります。

一度でも使用されていれば価値は下がりますし、変色や汚れがあった場合には大きく査定額が下がってしまうこともあります。

ひどく保存状態が悪いものは、そもそも買取が不可能ということさえあり得ます。

和装小物は、形ある物なので時間と伴って劣化してしまうことは仕方のないことです。

しかし、日頃から保存場所に気配りをして、定期的な手入れをすることで経年劣化を抑えることが可能です。

直射日光と湿気は、変色やカビの原因となるため、注意が必要です。

風通しが良く、直射日光の当たらない場所に保存するのがよいでしょう。

また、未使用の作品はなるべく袋や箱から出さずに保存することで保存状態を高めることが可能です。

買取実績が豊富な買取店へ

和装小物には、たくさんの種類があります。

種類によって査定するポイントが異なるため本当の価値を導き出すのが難しいといえます。

着物に精通しており、本当の価値を見極められる方の数は多くないでしょう。

そのため、着物を熟知している着物専門店の買取業者に和装小物を査定してもらうのがよいでしょう。

着物専門店の買取業者であれば、着物だけでなく、帯や草履などそれぞれの和装小物に特化した知識を持っている査定員が在籍しています。

専門的な知識を有しているため、正しい価値を見極めてくれる可能性が高いといえるでしょう。

多くの商品を扱っているリサイクルショップに査定を出す時には注意が必要です。

和装小物の希少性に気付けずに相場価格表などを見て低い査定価格を提示される可能性があります。

総合リサイクルショップに査定を出す時には和装小物の買取実績をチェックするとよいでしょう。

実績豊富なリサイクルショップであれば、着物専門でなくても適正な価格で査定してくれる可能性が高まります。

ウリエルなら和装小物の実績も豊富ですので、和装小物の売却を検討している方は、一度お問い合わせください。