紅型

琉球紅型について

紅型とは

紅型(びんがた)とは、琉球王朝の時代の沖縄で誕生し発展した染め物です。

沖縄の青い海や美しい空、南国の自然をデザインした紅型は、日本だけでなく、アジアの文化も取り入れられています。

華やかな雰囲気があり、お祝いのシーンでよく着用されていました。

また、紅型と呼ばれるようになったのは大正時代の終わりの頃。

色彩を表す「紅」と模様を表す「型」という文字を当てて作られたと言われています。

琉球紅型の歴史

琉球紅型が登場したのは日本の室町時代の頃のことです。

長く琉球王朝で愛されてきた紅型は、明治時代の初めに政府が廃藩置県を実施したことで日本本土に知られるようになりました。

美しい紅型を後世に残したいという、多くの人々の努力により現在も愛され続けています。

琉球紅型の独特な色合い

琉球紅型は、天然の染料と顔料を使って色付けされます。

使われる色は「赤・黄・青・緑・紫」をベースにしていて、大胆な配色が特徴です。

強い日差しが降り注ぐ沖縄の雰囲気に合う、はっきりとした色を反物に後染で乗せていきます。

また、琉球紅型は貴族と士族によって使う図柄や色が違っていました。

地色も階級分けされていて、最も上の階級の色は黄色だったといいます。

琉球紅型は他の着物と何が違う？

琉球紅型には発色が良く、絵画や建物の装飾に使われる鉱物性の顔料を使用しています。

顔料を使っているというのは、生地が色に染まっているのではなく、生地の上に色が乗っている状態。

友禅染などは、生地を裏から見ても色が染まっていますが、琉球紅型だと裏は白いままなのです。

顔料は日本本土で作られる染め物に使われることはあまりないのですが、沖縄の強い日差しでも色褪せしにくいということから、琉球紅型に取り入れられているのです。

また、沖縄にしかない自然や文化を表す色や柄も、そのほかの着物にはない魅力を持っています。

紅型には「京紅型」「江戸紅型」もある

京紅型

京都で作られる京紅型は、琉球紅型と京都の伝統的な技術が融合した染め物です。

京友禅で使われる染料を使って染め上げられていて、綺麗な発色と紅型ならではの温かみのある雰囲気が融合しています。

自然を表現した柄や京都を風景をモチーフにしたものが中心でしたが、最近は琉球紅型のような大胆で鮮やかな色柄ものも増えています。

江戸紅型

染める色1色につき1枚の型紙を使って染めるのが江戸紅型です。

また、琉球紅型とは大きく違うのはその色合い。

渋いトーンの色味とふんわりと柔らかい発色が江戸紅型ならではの魅力と言えます。

紅型の買取相場について

紅型の買取相場

紅型の買取価格は幅広く、～15万円くらいと言われます。

基本的には琉球紅型は中古着物の中でも高額での買取が期待できるので、状態が良ければ相場よりも高く買取をしてもらえる可能性があります。

紅型の買取価格は何が基準で決まる？

紅型を買取に出す際に知っておきたいのが、その価値を判断する基準です。

・状態が良いか ・どんな紅型着物なのか ・古着としてニーズがあるかどうか

まずは古着の着物は、新品の状態に近ければ近いほど価値が上がります。

元々の紅型着物の価値によっても買取価格は変わるので、産地や素材、作者などにも注目したいところです。

そして、古着の着物として売れる見込みがあるかどうかも大事です。

仕立て直しができる、身丈が160cm以上で裄丈が65cm以上ある着物や、幅広い年代の人が着やすい色や柄のものなどは古着の紅型着物として人気。

そのため買取価格を決める際のポイントになります。

高価買取されやすい紅型

落款・証紙があるもの

古着の着物はその価値を証明できるものがあると、高値買取されやすくなります。

例えば、その着物を作った作家や工房の印である「落款」、着物の細かな情報を証明する「証紙」は着物を買取に出す際にはぜひ用意したいものと言えます。

また、琉球紅型に関しては「琉球びんがた事業協同組合証」というものがあります。

これは琉球紅型に発行されるナンバリングされた証明書のようなものです。

「作った人・使われている布・品目・染色」について手書きで書かれていて、琉球紅型であることを証明できる唯一のものなので、買取に出す際は忘れずに着物に添えましょう。

著名な作家が手掛けたもの

紅型作家として有名な人が手がけた着物は価値が高く人気もあるので、買取価格は高額になる可能性があります。

城間栄喜氏	戦後、衰退した紅型を復興させた人物。
城間栄順氏	父の城間栄喜氏の技術を受け継ぎ、次の世代へと伝承している。
玉那覇有公氏	紅型職人として初めての人間国宝。
知念貞男氏	琉球王朝時代から続く知念家の八代目。
栗山吉三郎氏	京紅型を最初に生み出した人物。

そのほか有名作家や人気の作家の作品は、状態が良いものだと10万円～20万円と高額での買取が期待できます。

少しでも高く紅型の着物を売るなら

お手入れ方法に注意

顔料を使って染めている紅型は摩擦に弱いので、水洗いが可能なものでも、洗う際には擦ったり摩擦が起きないように注意する必要があります。

表側が内側に来るように畳んでネットに入れて、ニット製品を洗うような感じで優しく押し洗いをしましょう。

紅型ならではの美しい色を保つためには、洗浄力が強い洗剤や白く洗い上げるような洗剤は避けるのがおすすめです。

また、クリーニング店に出す際や染み抜きを依頼する際にも、紅型であることを説明をしてお手入れしてもらうようにします。

証紙を一緒に査定に出す

紅型着物を査定に出す際には、着物の価値を証明するために証紙を合わせて出すようにします。

琉球紅型の場合には「琉球びんがた事業協同組合証」を用意します。

琉球紅型は古いものだとアンティーク着物としての価値も加わって、査定金額が高くなる可能性があります。

証紙は琉球びんがた事業協同組合証は、うっかり捨ててしまったりしないように大事に保管しておきましょう。

実績ある買取店に依頼する

紅型の中古着物は、紅型や染め物に詳しい人以外だとその価値がわからず安く見積もられてしまう場合もあります。

大切な紅型着物を査定に出すなら、着物の買取の実績があるお店に出すのが安心です。

ウリエルは着物買取の実績が豊富なので、安心して紅型着物を依頼できるお店。

タンスの中に眠っている紅型着物があるという方は、ぜひ一度お問い合わせください。