セーブル

最高級毛皮とされるセーブル

数ある毛皮の中でも、セーブルは最高級の毛皮といわれています。

他の毛皮と比較しても希少性や価値が高いセーブルは、買取価格も高額になることが多いです。

そこで、最高級毛皮とされるセーブルの歴史や価値、特徴などについて解説します。

セーブルの歴史

セーブルは寒い地域を生息地とするイタチ科の動物で、シベリアや北ヨーロッパ、中国の東北部や北海道などに広く分布しています。

そのため、セーブルの毛皮は各地で古くから防寒着の素材として用いられてきました。

その歴史は紀元前にまでさかのぼり、ローマ帝国や古代の中国にあった王朝で王族や貴族の衣服などにも使われていました。

日本でもセーブルの毛皮は平安時代に朝鮮半島あたりにあった渤海という国から輸入されて、貴族たちの身にまとうものとして愛用されてきました。

源氏物語にも登場人物がセーブルの毛皮の衣類を身に着けていたと記述されています。

そして16世紀以降のヨーロッパにて、富裕層を中心としたセーブル毛皮の大流行が起き、イギリスを治めていたヘンリー8世は貴族以外のセーブル毛皮の着用を禁じる法律を制定したのです。

また、当時のロシア帝国がシベリアを領土に加え、大々的なセーブル猟と輸出によってヨーロッパから外貨を入手し、ロシアの国力を高めました。

異名は「毛皮の王様」セーブルの価値

ヨーロッパやロシア、そして日本などでも大昔から愛され、高級品としてセレブたちにも使われているセーブルの毛皮は、様々なファッションアイテムに用いられています。

毛皮製品の定番ともいえるコートの人気もさるものながら、ストールなどもその高級感から人気です。

セーブルの毛皮を素材とする品物は高価格なものが多く、特に高級なロシアンセーブルなどでできたコートだと、数十万から数百万以上の値段のものまであります。

そして、そのセーブルの価値の高さは、色合いやシルバリーの量、そして最高品質であるという認定の「ソボル」のラベルなどが関係しているのです。

シルバリーというのは白い刺毛のことで、濃い色合いの毛皮の場合には特に綺麗に彩を加えてくれます。

セーブルの特徴

セーブルの毛皮の特徴は、独特の光沢や重厚感に深みのある茶色のカラーです。
古くから高貴な身分の人たちが身に着けてきたセーブルは、現在でも高級感を演出してくれるアイテムとして愛されています。
また、セーブルの毛皮は非常に柔らかで軽く、保温性も優秀です。
さらに耐久性も高く、適切に保管と手入れをすることで幾年にもわたって美しい毛並みを保ってくれます。
身にまとうことでセレブのような雰囲気を醸し出すことができるうえに、実用性にも長けているのです。

ミンクやチンチラなど他の毛皮製品との違い

セーブルと同じく毛皮の中で高級品とされているミンクとチンチラは、それぞれ違った特性を持っています。

まずミンクは、様々な色合いがある上に綿毛が密生しており、保温性や保湿性など機能面でも優れています。

また皮は薄いうえに丈夫であり、耐久性に優れた毛皮です。

次にチンチラですが、こちらも個体数の少なさ等から非常に高価な毛皮で、優しくやわらかな肌触りに人気があります。

ただ非常に繊細で、丁寧に管理や手入れを行わないとすぐに傷んでしまい、セーブルなどと比べて耐久性は優れているといえません。

セーブルは種類やブランドで価値が全く異なります！

一言でセーブルといっても、その種類やブランドによっては価値が大きく異なる毛皮です。

そこで、セーブルの種類の説明や、有名なブランドを紹介します。

セーブルの種類は主に「ロシアン」「カナディアン」

セーブルの種類は主に「ロシアン」と「カナディアン」に分けられます。

まずロシアンセーブルについてですが、生産国はロシアで、数あるセーブルの中でも最高級品とされている毛皮です。

シルバーチップと呼ばれる白や銀色の刺毛が入った毛皮は「シルバリー」と呼ばれる非常に希少な毛皮で、特に濃い色合いの毛皮だと鮮やかにシルバーチップが目立つ高級品とされています。

さらに「ソボル」というラベルがついたロシアンセーブルは特に品質が高いもので、買取価格も高額です。

次にカナディアンセーブルについてですが、この毛皮は実はセーブルではなくマーテンという動物のものを使っています。

毛皮としての価値を比べるとロシアンセーブルの方が上ですが、カナディアンセーブルも肌触りや毛並みが特に秀でている高級毛皮です。

色合いは赤が強く、染色や加工も容易であるということが特徴としてあります。

セーブルが有名なブランド

セーブルの毛皮を使用した製品を販売しているブランドには、フェンディやヘルノ、カルヴェンといった有名ブランドもあります。

まずフェンディについて説明しますと、イタリアの世界的ファッションブランドです。

高価なセーブルの毛皮を、ゴージャスに用いたコートなどを販売しています。

そしてヘルノは、カシミヤやビキューナといった高級素材を用いた商品に特徴があり、カシミヤとセーブルを組み合わせたジャケットも販売しているブランドです。

最後にカルヴェンですが、フランスのブランドでパリらしいスタイルのファッションを持ち味としており、セーブルの中でも手触りがなめらかなものをふんだんに使用した毛皮製品の取り扱いがあります。

また、セーブルはそれらのファッションブランドのほかに、ソボルという品質を保証するための仕組みがあります。

ソボルとは、ソユーズプシニーナというサンクトペテルブルク国際毛皮オークション主催者によって審査され品質を認められた、セーブルの中でも最高級品とされるロシアンセーブルにのみ与えられる称号です。

セーブルの買取査定額決定のポイント

セーブルは非常に高級な毛皮であり、その種類によっても価格が上下することを説明しました。

しかし、種類や毛皮の使用量以外にも、買取の査定金額に影響するポイントはあります。

ブランド

まずセーブル製品の査定に関わってくるのは、ブランドです。

有名・人気ブランドの場合には製品そのものの品質だけではなく、そのブランドの価値も加算されます。

セーブルの場合はフェンディやヘルノ、カルヴェンといった有名ファッションブランドも製品を出しており、それらのブランドの品であるなら査定額は高いです。

また、ソボルのラベルがついていても品質の高さを保証してくれるために高く買い取ってもらえます。

セーブルの種類

セーブルの種類による価格は、前述したとおりロシアンセーブルの方が高くなります。

そしてロシアンセーブルの中でも、シルバリーや白い刺毛が多いヘビーシルバリーは特に高級品とされていて希少なために、査定額は高いです。

保存状態やお手入れの有無

毛皮には、天然素材ならではのダメージというものがあります。

セーブルはチンチラなどと比べると丈夫な部類の毛皮ではありますが、それでもぞんざいな扱いをしていると傷んでしまい、査定額に悪影響です。

特に直射日光や蛍光灯の光に当て続けたことによるダメージや、湿度の高い通気性の悪い場所にしまい込んで置いたことによるカビなどがあれば、大きく価値を落としてしまいます。

他にもシミがついていたり毛の抜けや汚れがあったり、破けてしまっていたりすると高い評価はされません。

喫煙者の方は、タバコのにおいがセーブルの毛皮についてしまっていないかも注意が必要で、臭いが染みついた毛皮はほとんど価値をつけてもらえないです。

ただ、手入れを丁寧に行って、劣化の少ないコンディションの良い品であれば、古くてもきちんと価格をつけてもらえます。

保証書の有無

セーブルのような希少で高価な毛皮製品には、新品で購入した場合に保証書が付けられています。

買取の際にこういった保証書を一緒に提出すると、その製品が本物のセーブルであるという証拠になり、高額査定に繋がるのです。

また、有名ブランドの品の場合にはブランドのタグなども捨てずにとっておいて、買取査定の場に出すことで査定額を上げることができます。
逆にこういった付属品を無くしてしまうと、買取価格がその分安くなってしまいます。
購入された際に要らないと思っても大事に保管しておいた方がよいでしょう。

長く綺麗な状態を保つためには、正しい保管方法で

売却を考えている場合には事前に保管方法について見直しておく必要があります。

まず変色を防ために太陽光や蛍光灯の光などの紫外線が当たらない場所に移動させてください。

暗所で通気性のあるカバーをかけておけば、それらのリスクに加えてホコリによる汚れも防げます。

また、保管場所は湿気のある場所も避けてください。

毛皮にはたんぱく質が含まれており、湿気とタンパク質はカビの大好物です。

カビが生えてしまったら、元に戻すことは難しいため、高額査定のためには保管場所を風通しの良い場所にして除湿剤を使うなど、湿気をためないための努力が必要となります。