ウイスキーに賞味期限はある?開封後10年経つと腐る?
「ウイスキーに賞味期限はあるの?」と疑問をお持ちの方がいると思います。
ウイスキーは銘柄にもよりますが、1本に700ml程度の容量があり、一度で飲み切ることは多くはないでしょう。開封後のウイスキーを美味しく召し上がるためにはいくつかのコツがあり、正しく保管していれば長く美味しく味わうことが可能です。
本記事では、ウイスキーの賞味期限や、正しい保管方法について詳しく解説していきます。
なお、買取ウリエルは、ウィスキー・ブランデー・ワイン・シャンパン・焼酎・日本酒など数多くのお酒に関する専門知識をもち、豊富な査定経験から経た知見やノウハウを基に説明します。
ウイスキーに賞味期限はあるのか?
ウイスキーのような蒸留酒には賞味期限がありません。蒸留酒とは、原料に糖をアルコールと炭酸ガスに分解する酵母を加え、アルコール醗酵させてつくる醸造酒を蒸留させたお酒のことを言います。
蒸留酒は気化したアルコール分を液体化してつくられるため、醸造酒よりアルコール度数が高く、長期間の保存が可能です。たとえば、醸造酒であるビールのアルコール度数が5度、ワインが10度〜15度なのに対し、蒸留酒のウイスキーは40度〜55度程の度数があります。
アルコール度数の高いウイスキーは、品質の劣化や腐敗の原因となる成分が含まれていないため、適切に保存をしていれば10年後、20年後であっても腐ることはありません。
ウイスキーの正しい保存方法
ウイスキーは賞味期限がなく、長期間の保存が可能なため、10年後、20年後であっても腐ることはありません。芳醇な香りや風味を長く楽しむためには、正しい保存方法で管理することが重要です。
下記ではウイスキーの正しい保存方法を、未開封と開封済みの場合でそれぞれ詳しく解説していきます。
未開封の場合
ウイスキーの保存は、密閉状態を保つことが重要です。ウイスキーの香りやアルコールは、蒸発をしやすい成分であり、わずかな隙間があれば徐々に抜けてしまいます。未開封の状態でも長期間の保存では、コルクの劣化によって隙間から空気が入り、ウイスキーが酸化を起こして劣化してしまうケースも少なくありません。
ウイスキーを保存する場合は、パラフィルムをボトルの口栓に巻くことで、空気の侵入を防ぎ、ボトルの気密性を高めることが可能です。密閉状態を保つことで、ウイスキーにとって最も重要な香りを損なうことを防げ、アルコールの蒸発によるウイスキーの目減りも防ぐことができます。
開封済みの場合
開封済みの場合も、未開封の保存方法と基本的に変わらず、共通することは密閉状態を保ち、気密性を高めることが重要です。
開封済みのウイスキーには、プライベート・プリザーブを使用すると良いでしょう。プライベート・プリザーブとは、窒素ガス・炭酸ガスが入ったスプレーのことです。
開封済みのウイスキーボトルに3回〜4回吹き込むことで、ボトル内の空気を追い出し、ガスの層でウイスキーが酸素に触れることを防ぐことが可能です。
プライベート・プリザーブの使用に加えて、パラフィルムをボトルの口栓に巻くことで、より密閉状態に近づけることができ、ウイスキーの劣化を制御しやすくなります。
ウイスキーの保存に最適な2つの場所
ウイスキーは身の回りの環境で品質が大きく変化します。保存場所が不適切だった場合は、ウイスキーの劣化につながり、本来の香りや風味を損なってしまうため、注意が必要です。
ウイスキーの保存に適切な場所は以下の2つです。
- ・食器棚・納戸
- ・ワインセラー
また、ウイスキーの保存場所で避けた方が良い場所と、理由も一緒に解説していきます。
食器棚・納戸
ウイスキーの保存場所は、キッチンの扉付き食器棚や納戸のような冷暗所が適切です。ウイスキーは、日光による紫外線の影響で品質が変わってしまうため、光の届かない冷暗所に保存すると良いとされています。
もし、棚がガラス張りで日光を遮ることができないのであれば、ウイスキーを購入した際についてくる付属品の箱に入れて保存しておくと安心です。ウイスキーの箱は紫外線を通さないため、紫外線による劣化を防ぐことが可能です。
ほかにも床下収納や階段下、廊下などを活用する方法もあげられます。ただし、熱がこもりやすかったり、湿気が溜まりやすかったりする環境はウイスキーの保存に向いていないため、家の構造を理解した上で保存場所を選ぶと良いでしょう。
ワインセラー
温度や湿度を一定に保つことが可能なワインセラーでの保存も良いでしょう。ウイスキーの保存に適した温度は15度〜20度であり、ワインも同様です。冷暗所での保存が向いている点も同じであり、ワインセラーはウイスキーの保存場所に最適と言えます。
しかし、ワインセラーで保存する際は、縦置きに対応しているセラーを選ぶことが重要です。コルク栓のウイスキーの場合、横置きで保存してしまうとコルクの劣化につながり、ウイスキーの蒸発や漏れの原因になります。
ワインセラーは、スペースをとってしまう点や電気代、購入コストがかかってしまう点などがありますが、ウイスキーを最も良い状態で保存できる方法と言えます。
【注意】冷蔵庫保存は極力しない
冷蔵庫がウイスキーの保存場所として適していない理由は2つあります。
1つ目の理由は、設定温度が低い点です。前述したとおり、ウイスキーの保存に適した温度は15度〜20度なのに対し、冷蔵庫の温度設定は2度〜7度です。
冷蔵庫での保存はウイスキーを冷やしすぎることになり、ウイスキー本来の魅力である香りや風味を損ないやすく、品質に大きな影響を与えてしまいます。
冷蔵庫保存が向いていない2つ目の理由は、におい移りを起こしやすい点です。冷蔵庫内の食材は香りが強いものが多く、においが移ってしまうと風味に影響を及ぼす恐れがあるため、冷蔵庫での保存は極力避けた方が良いでしょう。
ウイスキーを保存する際の4つの注意点
ウイスキーは、アルコール度数が高いため、品質の劣化や腐敗の原因となる成分が含まれておらず、長期保存が可能なお酒です。しかし、良い状態を維持したまま保存するには注意するべき点があります。
ウイスキーを保存する際の注意点は以下の4つです。
- ・温度変化に注意する
- ・直射日光に当てない
- ・空気に触れないように注意する
- ・におい移りに注意する
それぞれ詳しく解説していきます。
温度変化に注意する
ウイスキーを保存する際は、一定の温度環境の下で保存すると良いでしょう。激しい温度変化はウイスキーの劣化を進め、品質を損ねる原因になるからです。
日常的にエアコンをつける部屋での保存でも問題はありませんが、エアコンをつけていない時との温度差が大きいのであれば、ウイスキーの保存場所としてはおすすめではありません。
温度に伴って湿度の変化にも注意が必要です。ウイスキーは湿度からの影響も受けやすく、高くもなく低くもない、湿度60%〜70%ほどの環境下での保存がベストです。
直射日光に当てない
ウイスキーの保存場所には、光が届かない冷暗所を選ぶと良いでしょう。
光はお酒の成分を分解する性質があり、光を浴びることで品質に悪い影響を与えてしまいます。日光の紫外線だけでなく、電気の強い光はボトルを通り抜けてしまうため、光が少しでも当たる場所での保存は避けた方が良いでしょう。
家に適切な冷暗所がない場合は、ウイスキーの箱に入れて保存する方法や、ボトルにアルミホイルを巻いて保存する方法もあります。
空気に触れないように注意する
ウイスキーは、出来るだけ空気に触れさせないように保存することで、風味を残して最後まで美味しく召し上がれます。空気に触れると酸化が始まり、徐々に劣化していくため、気密性を高めることがウイスキーの保存において重要です。
パラフィルムでボトル内への空気の侵入を防いだり、プライベート・プリザーブを使用し、ボトル内の空気を追い出して気密性を高めたりすることで、空気に触れることを制御することが可能です。
ボトル内のウイスキーが少なくなったら、小瓶に移し替えて保存するのも良いでしょう。ウイスキーが酸素に触れる面積をできるだけ減らすことで、酸化を最小限に防げます。
におい移りに注意する
ウイスキーを保存する際は、におい移りを避けるために、香りの強いものを近くに置かないことが重要です。ウイスキーは芳醇な香りが魅力であり、におい移りを起こすことで品質に大きな影響を与えてしまいます。
ウイスキーを食器棚や納戸へ保存した際は、近くに石鹸や香水、芳香剤、防虫剤などのにおいの強いものを置くことは避けると良いでしょう。
とくに、開封後はにおい移りが起こりやすいため、においの強いものを避けることを徹底しつつ、パラフィルムを使用してボトルの気密性を高めることが大切です。
古くなった未開封のウイスキーが劣化していないか見分ける方法
ウイスキーは、未開封の状態でも劣化をしていないか見分けることが可能です。
ボトルを一度開封するとどれほど対処しても少しずつ酸化は進み、ウイスキーが劣化してしまいます。人気の銘柄は、未開封の状態であれば高額買取が期待できるため、開封前に劣化を確認できると良いでしょう。
古くなった未開封のウイスキーが劣化していないか見分ける方法は、以下の2つです。
- 液面低下していないか
- コルクが劣化していないか
それぞれ詳しく解説していきます。
液面低下していないか
液面低下とは、コルクが劣化してウイスキーを吸収してしまったり、水分が瓶の外に漏れてしまったりして、ボトル内のウイスキーの量が減ってしまっている状態のことです。
未開封の場合で液面低下が起こる原因としては、保管状態が正しくなかった可能性があげられます。液面低下を起こしているウイスキーは、アルコールが抜けてしまい、風味が損なわれている状態のものが多いです。
飲めないわけではありませんが、本来の味とは変わってしまうため、美味しく召し上がることは難しいと言えます。液面低下は、ウイスキーを長期保存している場合に起こることが多く、正しい保存方法での管理が必要です。
コルクが劣化していないか
未開封の状態であっても、コルクが経年劣化を起こす可能性があります。経年劣化を起こしたコルクは収縮して、ボトルの口栓との間にわずかな隙間が生まれてしまいます。
コルクの劣化によるウイスキーの品質低下を避けるために、未開封であってもパラフィルムを使用して気密性を高めると良いでしょう。
定期的にコルクの状態を確認し、必要であればコルク栓を交換することでウイスキーの品質を守ることが可能です。コルク栓は銘柄の違うボトルの場合でも代用できるものが多いため、ウイスキーのボトルが空いた場合はコルク栓を保管しておくと良いでしょう。
古いウイスキーは売ってお金に替えるのもあり
古くなったウイスキーは、飲むことも可能ですが、買取に出してお金に替えるのも良いでしょう。ウイスキーには賞味期限がないため、状態の良いものであれば定価よりも高い価格で取引される可能性があります。
たとえば、ジャパニーズウイスキーの中でも人気で希少性の高い竹鶴や白州、響は高額査定対象です。近年では、あかしウイスキーの需要も高く、特にあかし日本酒カスク6年は高額で買取されます。
家に長期的に保管しているウイスキーがある場合は、信頼できる専門家に一度相談してみても良いでしょう。買取ウリエルでは洋酒・古酒・国産酒の高価買取の実績が多数あり、専門知識と経験豊富な査定士が無料で査定を行います。
ウイスキーの箱や付属品がないものでも買取可能な場合がありますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
ウイスキーは賞味期限がなく、状態が良いものであれば10年後、20年後であっても美味しく味わうことが可能なお酒です。
保存場所には、直射日光が当たらない食器棚や納戸などの冷暗所が良いとされています。ウイスキーの管理を徹底するのであれば、温度や湿気などを一定に保つことができるワインセラーでの保存が最も良いでしょう。
一度開封してしまうと、口栓のわずかな隙間から空気が入り込み、酸化やにおい移りが起こりやすくなってしまいます。パラフィルムやプライベート・プリザーブを使用して、ボトル内を密閉状態に近づけることで、酸化やにおい移りを防ぐことが可能です。
未開封のウイスキーは、銘柄によっては中古市場で需要が高く、高額買取される可能性があります。自宅に飲まないまま保存しているウイスキーがある場合は、開封する前に一度専門家に相談してみるのも良いでしょう。
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