切手買取2021年11月04日

産業図案切手の買取相場を紹介!「機関車製造(500円)」や「電気炉(100円)」の驚くべき価値とは…!?

「産業図案切手」は、戦後間もない1948~1950年にかけて発行されました。

産業図案切手にはいくつかシリーズがあり、特に「機関車製造(SL製造)」「電気炉」は高額買取が期待できるプレミア切手です。

そこで今回は、産業図案切手の買取相場について詳しく紹介します。

産業図案切手の買取をご希望の方は、ぜひ高価買取満足度No.1のウリエルにお任せください!

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産業図案切手とは

工業地帯

産業図案切手とは、1948年10月~1949年の11月に発行された日本切手です。

第2次世界大戦後に普通切手や速達便用切手、記念切手などとして発行されました。

産業図案切手の呼び名にも表れている通り、図案には戦後の大変な時期を支える産業に携わる労働者たちの姿が描かれています。

図案として採用されている産業は全12種で、それぞれ額面も違います。

12種の図案は以下の通りです(※各種切手の買取相場については後の項目で詳しく解説しています)。

種類額面
機関車製造(SL製造)500円
電気炉100円
郵便配達30円
植林20円
穂高岳16円
紡績女工15円
炭鉱夫8円
印刷女工6円
茶摘み5円
炭鉱夫5円
捕鯨3円
農婦2円

機関車業や石炭産業をはじめ、戦後の復興を象徴する産業を描いているのが産業図案切手の特徴です。

種類によって異なるものの、どれも全体的に流通量が少ないため、希少価値が高いと言えるでしょう。

また、発行期間が約1年間と限定的であること、時代の変遷期に発行されたことから美品の現像数が多くはありません。

すべての図案が揃っている場合は、高価買取が期待できます。

特に価値が高い産業図案切手

ルーペと切手

全12種ある産業図案切手はどれも貴重ですが、すべての切手が高値で売れるわけではありません。

買取市場で高値となるものは限られていて、特にプレミア切手と呼ばれるものが高価買取の対象です。

また産業図案切手の価値を鑑定するうえで、「昭和すかし」と呼ばれる製造技法も査定の重要な基準です。

12種すべてに「透かし」が入っているわけではないため、透かしの有無によっても買取額は異なります。

ここでは産業図案切手の買取相場に加えて、昭和すかしについても解説します。

産業図案切手「機関車製造(SL製造)」

プレミア産業図案切手の1つ目が「機関車製造(SL製造)」の図案です。

蒸気機関車(SL)を製造する人たちの姿が描かれています。

額面は当時としては高額な500円です。

戦後間もない頃の日本では、1世帯あたり1か月の生活費がおよそ500円ほどだったと言われます。

そのため流通量も少なく、現在でも美品の現存数は稀で希少価値の高い切手です。

発行年数 額面 相場(透かしなし)
1949年(昭和24年) 500円 未使用・美品 ~35,000円
使用済み ~1,000円

※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
※透かしがある場合は価格が下がるので注意してください(透かしについては後述)。

蒸気機関車(SL)の切手は特に未使用品が少ないため、場合によっては相場以上の買取価格も期待できます。

過去には8万円以上の評価額が付いたこともあります。

一方で使用済み切手は買取価格が一気に下がる傾向にありますが、それでも額面以上の買取価格が付くこともあるでしょう。

産業図案切手「電気炉」

プレミア産業図案切手の2つ目は、「電気炉」の図案が描かれた100円切手です。

機関車製造(SL製造)の切手と並んで、当時としては高額な切手です。

発行年数 額面 相場(透かしなし)
1949年(昭和24年) 100円 未使用・美品 ~40,000円
使用済み ~1,000円

※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。
※透かしがある場合は価格が下がるので注意してください(透かしについては後述)。

現存数は少なく、また未使用品ともなればかなり希少で、相場以上の買取価格となる場合もあるでしょう。

状態の良し悪しが評価のうえで重要となり、使用済み場合など保存状態は査定に大きく影響します。

状態が厳しくチェックされる理由は、切手の図案に人気が集まるからです。

描かれている電気炉の絵柄に臨場感があると評価され、図案に魅了されるコレクターも少なくありません。

そのため保存状態がよい未使用あるいは美品は、買取でも高く評価されます。

ちなみに、過去には10万円近くの高値が付けられたこともありました。

電気炉切手のシートなら、1,000万円の価値があるとまで評価されています。

ただしあくまで評価額です。

実際の取引相場はその1/4ほどでますが、それでも十分に高価買取が期待できるでしょう。

昭和すかしなし切手

ここで、昭和すかしについて見ていきましょう。

透かしとは印刷技法のことで、産業図案切手は透かしの有無で価値が変わります。

高価買取が期待できるのは、透かしなしのほうです。

切手の材料となる紙の厚みを部分的に変えて文字や模様を施します。

光に紙をかざすと紙に文字や模様が浮かんでくる、これが透かしです。

切手の透かしは、大正時代から昭和中期にかけて偽造防止の手段として利用されていました。

時代によって透かしの模様が変わるため、「大正すかし」や「昭和すかし」などと呼ばれます。

昭和の時代、切手のすかしが用いられたのは1937(昭和12)~1950(昭和25)年までです。

それ以降の切手では透かしがありません。

印刷技術が改善されて偽造の恐れがなくなったからです。

透かしがあった時代と重なる産業図案切手には、透かしのある切手とない切手があります。

透かしありの切手には昭和すかしが施され、かざすと直線と半円が交互につながった鍵穴のような模様が見えます。

産業図案切手に関しては、透かしがあるほうが時代の古い切手です。

とはいえ、透かしのない産業図案切手のほうがより高値となる傾向があります。

理由は、透かしありからなしへの移行期間に、図案が同一の「透かしありとなし」の切手が流通したためです。

また重複して発行された期間が、1951~1952年のわずか1年間だけと短期だったことも相まって、より貴重なものとなったからです。

こうした切手は全部で10種類あり、このうち8種類が産業図案切手です。

8種類の産業図案切手は以下の通りです。

種類額面
機関車製造500円
電気炉1,500円
郵便配達30円
植林20円
印刷女工6円
炭鉱夫5円
捕鯨3円
農婦2円

発行期間が限定されていた上記8種類の産業図案切手は希少価値があります。

さらに、プレミア切手である機関車製造や電気炉となればより一層稀です。

昭和すかしなしの産業図案切手は幻の切手と言えるでしょう。

産業図案切手の買取相場

お金とチャート

ここでは「機関車製造(SL製造)」「電気炉」以外の産業図案切手の買取相場を紹介します。

産業図案切手「郵便配達」30円

発行年数 額面 買取相場
1949年(昭和24年) 30円 未使用・美品 ~5,000円前後
使用済み ~500円前後
透かしなし・美品 ~1万5,000円前後

※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。

郵便物を手に持つ郵便局員が描かれた青色の切手です。

当時は書留郵便用の切手として発行されました。

透かしがある場合は数千円ほどが買取相場ですが、透かしがない場合は2倍以上の価格が期待できます。

また目打ちのないエラー切手なども一部流通していて、この場合はさらに高値となるでしょう。

産業図案切手「植林」20円

発行年数 額面 買取相場
1949年(昭和24年) 20円 未使用・美品 ~3,000円前後
使用済み ~500円前後
透かしなし・美品 ~5,000円前後

※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。

深緑色の切手で、木々を植える人たちの姿が描かれています。

当時は速達郵便用の切手として発行されました。

植林の切手は透かしのない場合、およそ5,000円前後までの価格が期待できます。

状態によってはさらに高値も期待できますが、市場の売買価格が9,000円ほどとなるため、それ以下となるでしょう。

ただしエラー切手であれば、1万円以上の価格が付くこともあります。

産業図案切手「穂高岳」16円

発行年数 額面 買取相場
1949年(昭和24年) 16円 未使用・美品 ~1,000円前後
使用済み ~500円前後

※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。

日本アルプスに含まれる穂高岳が描かれた青色の切手です。

特徴のある横長の大型切手で、当時は外国郵便用として発行されました。

1,000円を超える買取額となるケースは少ないものの、額面よりは高い価格での買取が期待できます。

産業図案切手「紡績女工」15円

発行年数 額面 買取相場
1948年(昭和23年) 15円 未使用・美品 ~500円前後
使用済み ~300円前後

※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。

緑と青の中間色の線画で、繊維工場で働く女性の姿が描かれています。

逓信(ていしん)文化展覧会(当時の郵政当局のイベント)に合わせて、記念切手として発行された速達郵便用切手です。

産業図案切手の中でも比較的流通量・現存数も多めで、価格は美品でも1,000円を超えるのは稀です。

産業図案切手「炭鉱夫」8円

発行年数 額面 買取相場
1949年(昭和24年) 8円 未使用・美品 ~500円前後
使用済み ~100円前後

※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。

炭鉱で働く男性の姿を描いた図案です。

同じ絵柄の切手が額面5円の切手としても存在します。

額面の違いは色によって分けられ、8円は茶色で5円は明るめのからし色です。

産業図案切手の中でも比較的流通量・現存数も多めで、価格は美品でも500円前後が相場です。

産業図案切手「印刷女工」6円

発行年数 額面 買取相場
1949年(昭和24年) 6円 未使用・美品 ~500円前後
使用済み ~100円前後
透かしなし ~500円前後

※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。

印刷工場で働く女性の姿が図案に採用されています。

鮮やかな朱色が特徴的です。

昭和すかしの有無が分かれる切手ながら、産業図案切手の中では流通量が多いため買取相場はやや低い傾向があります。

産業図案切手「茶摘み」5円

発行年数 額面 買取相場
1949年(昭和24年) 5円 未使用・美品 ~300円前後
使用済み ~100円前後

※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。

茶葉を摘む女性の姿が描かれています。

図案のカラーは茶の葉に合わせた深い緑色です。

普通切手として発行されました。

産業図案切手の中ではやや流通量が多く、買取価格は数百円程度です。

産業図案切手「炭鉱夫」5円

発行年数 額面 買取相場
1948年(昭和24年) 5円 未使用・美品 ~300円前後
使用済み ~100円前後
透かしなし ~1,500円前後

※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。

額面8円の炭鉱夫と同じデザインの切手で、こちらが古いタイプです。

買取価格の相場は高くありません。

しかし5円のタイプには透かしなしの切手が存在します。

透かしのないものであれば1,500円程度、状態などによってそれ以上の買取額が期待できます。

産業図案切手「捕鯨」3円

発行年数 額面 買取相場
1949年(昭和24年) 3円 未使用・美品 ~300円前後
使用済み ~100円前後
透かしなし ~1800円前後

※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。

戦後、捕鯨が活況だった時代の鯨漁が図案として採用されています。

切手の色味は鮮やかなターコイズ色です。

買取価格は数百円程度、透かしがなく未使用・美品であれば1,000円以上の買取価格が相場です。

産業図案切手「農婦」2円

発行年数 額面 買取相場
1948年(昭和24年) 2円 未使用・美品 ~300円前後
使用済み ~100円前後
透かしなし ~300円前後

※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではございません。

くわを担いだ農婦(女性)の姿が描かれています。

流通量の多さと需要面が影響して、美品でも数百円ほどが買取相場です。

透かしなしでも大きな買取額アップとはなりません。

産業図案切手を高く買い取ってもらうには

お金とペンシル

ここで、産業図案切手を高く買い取ってもらうためのポイントを解説します。

2社以上の相見積もり

産業図案切手を買取するときは、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。

産業図案切手の買取は業者によって価格が異なります。

業者がもつ販路も買取額に影響するため、査定する店舗で価格が違ってくるものです。

相見積もりは高く買取をしてもらうポイントになりますので、最低でも2社以上は比較するようにしましょう。

専門知識をもつ査定士がいる業者に依頼

切手の査定は専門業者に依頼するのがベストと言えます。

特に産業図案切手は、透かしの有無やエラーの有無などにより買取額が異なるからです。

価値を見極めるポイントがいくつもありますが、切手の価値がわかる専門業者なら買取価格にも信頼がおけます。

たとえば産業図案切手の郵便配達は約5,000円の買取相場です。

しかし、透かしがなければおよそ2〜3倍、さらにエラーの目打ちの有無が加われば、買取価格はさらに高額です。

こういったポイントを正しく評価するには専門知識が欠かせません。

買取専門店のウリエルには、切手の知識と経験豊かな査定士が在籍しています。

もしも産業図案切手の買取を検討中なら、ぜひご相談ください。

状態の悪いものや他社で断られた切手でも、切手専門の査定士が切手のもつ適切な価格をご提示します。

まとめ

日本切手の中でも、産業図案切手は収集家も多い切手コレクションの一つです。

現在でも高い需要がありながら、戦後の変遷期に発行されたために現存数が少なく、希少価値が高くなっています。

ただし産業図案切手の買取価格には幅があるので、査定を依頼するときは注意しましょう。

価値を決める要素がいくつもあります。

高価買取を目指すなら、切手に詳しい専門の買取業者に依頼するのがおすすめです。

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