ウール着物の買取相場は?素材の特徴や洗濯・保管方法も解説します!
使わなくなったウールの着物を売りたいと考えている方も多いでしょう。
ウール着物は比較的安値で流通しているため、買取価格が付きにくい面があります。
しかし、ポイントを押さえて査定に出せば、少しでも高く買取できる場合もあります。
ここでは、ウール着物の買取相場や保管方法などをまとめて解説します。
※ウリエルでは「ウール着物」の買取を行なっておりません。
しかし、他の着物や和装着物は買取できる場合もありますのでまずはご相談ください。
ウールとは
ウールとは羊毛のことです。
羊の毛で織られたウール着物の歴史は浅く、昭和の頃に普段着として着用され始めました。
昔は「セル着物」と呼ばれていたこともあります。
他の着物よりも簡単に作ることができるためリーズナブルで、家でも洗濯できるウールの着物は、当時一世を風靡しました。
身近な着物であったことから、柄やデザインも豊富です。
カジュアルな着こなしを楽しめるウール着物は、若い世代を中心に人気を集めています。
ウール着物の特徴
ウール着物が人気を集める理由は、通常の着物と異なるメリットをもつためです。
ここでは、ウール着物の特徴を紹介します。
機能性が高い
ウールは保温性・撥水性・伸縮性に優れており、絹や木綿を使用した一般的な着物よりも日常的に扱いやすいメリットがあります。
畳んで引き出しに保管してもシワになりにくく、水にも強いため、ウール100%の着物なら家で洗濯も可能です。
また、天然素材であるウールは暖かく、蒸れることなく湿度を適度に調節してくれるので快適な着心地を楽しめます。
日常生活に使えるカジュアルな着物
ウール着物は着こなしに細かいルールがないため、自由なコーディネートを楽しめます。
そのため、近所への買いものや気軽なランチなど、日常生活の延長上に利用するのに最適です。
個性的な装いを楽しみたい人に適した着物だと言えるでしょう。
ただし基本的にカジュアルな着物なので、結婚式や葬儀などの儀礼的なフォーマルな場には不向きです。
格式の高い着物ではないため、フォーマル用の着物は別に用意しておきましょう。
リーズナブルな価格
比較的安価な値段で購入できるのも、ウール着物の魅力です。
新品でも1万円前後で購入できるため、「着物を着てみたいけど価格が高い」「着物は管理が大変そう」と思っている人から高い人気を集めています。
着心地のよさ、機能性の高さを兼ね備えたウール着物は、着物初心者にも人気です。
ウール着物なら、普段着ている洋服と同じ感覚で手入れできるため手間がかかりません。
お求めになりやすい価格で販売されているので、ファッションを楽しみたいときにも好きな柄のウール着物を揃えやすいでしょう。
着用シーズンが長い
ウール着物は盛夏を除き、春・秋・冬と3シーズンに渡って着用できます。
ただし、同じ着物を3シーズン通して着用できるわけではありません。
晩秋や冬の寒い時期は厚手のウール生地、気温が高い時期はサマーウールと呼ばれる薄いタイプというように、季節に合わせて生地を変えれば長いシーズン通して楽しめます。
とはいえ、ウールを真夏に着るのはやはり暑いでしょう。
そもそも、ウールに単衣仕立てが多い理由は、長く着用できることに加え、家庭で簡単に修復や仕立て直しができるからです。
ウール着物に使用される代表的な生地
引用:https://someorikodamas.com/product/58593
国内最高峰といわれているのは、着物の本場の「西陣ウール」です。
長い歴史をもつ西陣織りの技術が使われており、軽量で暖かい特徴があります。
発色がよく、さまざまな色や柄を楽しめる「モスリン」は、年齢問わず人気の生地です。
暖かく蒸れず、洗濯しやすいため、ウール着物の中でも特に扱いやすい生地と言えます。
他にも、静岡で生産されている「浜松ウール」、絹糸を織り混ぜた質感が人気の「三勝染シルクウール」などがあります。
ウール着物に使用される柄
引用:https://someorikodamas.com/product/58583
昔からあるウール着物は、絣や格子、幾何学模様が中心となっており、1枚の着物で2~3色の色使いが多いです。
現代ではモノトーンや無地、ドット柄などシンプルでモダンな雰囲気の柄が増えています。
市場では、季節感のあるデザインやレトロなデザインが人気を集めています。
ウール着物の取り扱い(お手入れ)
水や汚れに強いウール着物は単衣仕立てなので、自宅で洗えるのが魅力です。
ただし、ウールは虫に食われやすい面もあるため、洗濯した後の保管方法には十分注意しましょう。
おしゃれ着用洗剤で洗濯
ウールのセーターなどと同じように、ウール着物はおしゃれ用洗剤で手洗いするのが基本です。
脱水時間は50秒ほどで、洗濯した後は必ず陰干ししましょう。
洗濯機で洗う場合は、着物洗濯ネットに畳んだ状態で入れて、手洗いモードやおしゃれ着コースなどの優しい洗い方を選択します。
脱水時間が長いと型崩れの原因になるので、10秒ほどの短い時間に設定しておきましょう。
自宅で洗濯するのが面倒な場合は、着物専門のクリーニングに出すのも一つの方法です。
シミなどの汚れも、クリーニングなら綺麗に除去できます。
必ず防腐剤を入れて保管
ウール着物を長持ちさせるためにも、防腐剤を必ず一緒に入れて保管しましょう。
ただし、使用する防虫剤や乾燥剤は1種類だけにしておきましょう。
薬剤同士が化学反応を起こして変色や傷みの原因になるので注意が必要です。
無臭かつ天然成分由来のものだと安心して利用できます。
他の素材と一緒に保管しない
ウール着物を他の素材の服と一緒に保管するのは避けましょう。
特に絹と一緒に保管してはいけません。
虫はウールの着物を好むため、一緒に保管してしまうとウールに寄ってきた虫が絹の着物まで食べてしまう恐れがあります。
ウールはウール、絹は絹というように、なるべく同じ素材でまとめるようにしましょう。
また、着物と小物を分けて片付けることも大切です。
プラスチックやゴムを使用した小物と一緒に保管してしまうと、防虫剤との化学変化で着物が変色することがあります。
小物は小物だけでまとめて保管しておきましょう。
ウール着物と帯のおすすめコーディネート
普段着として着用するウール着物の帯は、化繊の「名古屋帯」もしくは「半幅帯」が適しています。
お出かけ着として着用するときは名古屋帯の一重太鼓結び、お友達とのちょっとした集まりには文庫結びというように、シーンに合わせて帯とのコーディネートを楽しめます。
フォーマルな着物ではないので、長襦袢や帯締め、帯揚げもカジュアルタイプを選びましょう。
履物は台の低い草履または下駄でも構いません。
自由なコーディネートができるのもウール着物の魅力の一つなので、帯留めも雰囲気に合わせたものを使い自分だけのコーディネートを楽しんでみましょう。
ウール着物の買取価格相場
ウール着物の買取価格や保管状態、ブランドに左右されますが、およそ1,000〜1,700円が相場です。
もともとリーズナブルな価格で流通していることもあり、高額査定を狙うのは難しいと言えます。
通常の着物と異なり、ウール着物は買取不可としている買取店も多いので注意が必要です。
ただし、着る人を選ばない160cm以上の大きめサイズや未着用のもの、保管状態のよいもの、ブランドや人気デザインの着物は市場での需要が高いため、高値が付くこともあります。
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではありません。
ウール着物を高く売るポイント
ウール着物はどこに売っても同じというわけではありません。
お店によって査定士は異なるため、同じウール着物でも買取価格に差が出てきます。
今まで愛用してきたウール着物を少しでも高く売りたいなら、以下のポイントをすべて押さえておきましょう。
相見積もりをとる
ウール着物はお店によって買取価格が異なります。
在庫状況によって買取価格は変動するため、必ず相見積もりをとりましょう。
1社から見積もりをとっただけでは、その査定額が高いのか安いのか判断できません。
複数のお店に査定を依頼して金額を比較すれば、おおよその買取相場がわかります。
すると安値で買取をされるリスクがなくなり、高値で買取してくれるお店を探し出せます。
見積もりだけであれば多くのお店が無料で対応しているので、少なくとも3〜4つのお店から見積もりをとることをおすすめします。
綺麗に保管する
ウール着物の買取価格は、見た目の状態に大きく左右されます。
シミ・シワ・虫食い跡・黄ばみ・汚れ・カビ・裾切れ・糸のほつれがあると、減額査定の対象になるため要注意です。
簡単にとれる汚れは、査定に出す前にとっておきましょう。
なかでもウールは虫食いされやすいので、防虫対策はもちろん、絹の着物や小物と一緒に保管しないように注意してください。
ウールに限らず着物は傷みやすいため、着用機会がないのであれば早めに売却することをおすすめします。
また、ウール着物を高く売りたいからといって、クリーニングに出すのはやめたほうがよいでしょう。
かえってクリーニング代金のほうが高くなり、結果として割に合わないことになりかねません。
自分でとれない汚れはそのままの状態で査定に出すことをおすすめします。
小物類も一式まとめて売る
ウール着物だけ査定に出すのではなく、帯や足袋、下駄、扇子、草履、かんざしなどの和装小物と一緒に出すと、査定額アップを期待できます。
証紙もあれば必ず一緒に提出しましょう。
もともと安価なウール着物は、正絹の着物に比べて高額査定が出る可能性は低いですが、小物と一緒に査定に出すことで買取価格に上乗せしてもらえる場合があります。
使わなくなった和装小物があれば、まとめて査定に出しましょう。
着物買取専門店で売る
ウール着物を高値で売りたいなら、必ずウール着物の買取実績が豊富な着物買取専門店を選びましょう。
専門店なら、着物の知識に長けている査定士が1点1点丁寧に査定してくれます。
有名ブランドの着物なら、高値での売却も可能です。
出張買取や現金買取にも対応しているため、利便性も高いと言えるでしょう。
リサイクルショップや古着屋にはウール着物の知識をもつ査定士がいない可能性が高いため、安値で買取されてしまいます。
ブランド着物であっても、他の着物と同じ値段を付けられたり洋服と同じような扱いをされたりするため、高額買取は期待できません。
ただし、買取業者によっては、ウール着物自体買取不可の場合もあります。
まとめ
リーズナブルな価格で流通しているウール着物ですが、日頃から綺麗に保管して査定に出せば、少しでも高く売れる可能性もあります。
また、知識豊富な査定士のいる着物買取専門店なら、着物の価値を正しく判断してくれるでしょう。
※ウリエルでは「ウール着物」は買取をしておりません。
しかし、他の着物や和装小物は買い取れる可能性があるので、まずはお気軽にご相談ください。
2つの買取方法