塩沢紬の買取価格相場は?特徴や歴史、塩沢織物の種類を解説
塩沢紬は、大島紬と結城紬と並ぶ日本三大紬の一つです。
手括りや手摺り込みの技法を用いて作られる絣模様が特徴です。
塩沢紬の買取相場は~4万円ほどですが、ここでは高く買取をしてもらうポイントをご紹介します。
塩沢紬の買取をご検討中の方は、高価買取に自信のあるウリエルにご相談ください。
塩沢紬(しおざわつむぎ)とは
引用:https://kougeihin.jp/craft/0111/
塩沢紬とは、新潟県魚沼市にある塩沢地方で製作されている、シャリ感のある高級紬です。
さらに、塩沢紬は大島紬・結城紬と並ぶ日本三大紬に含まれています。
ただし、大島紬と結城紬は日本三大紬に必ず含まれますが、3つ目は塩沢紬のほかに牛首紬や上田紬のいずれかが含まれることもあります。
模様は蚊絣・十字絣・亀甲絣などの細かい模様が特徴です。
これらの模様は単体だったり複数を組み合わせたりしています。
先染めの平織という技法で製作し、縦糸に生糸と玉糸、横糸に真綿手紡糸を使用します。
そして、手括りや手摺り込みなどの技術を用いて織り上げる織物です。
また、塩沢紬の歴史は古く、奈良時代から塩沢地方で製作されており、昭和50年には国の伝統的工芸品に指定されました。
古くから愛されている塩沢紬は上品でシックな見た目で、高級感もあります。
しかし、普段使いもできるため使い勝手がよいとも言えるでしょう。
塩沢紬の特徴
引用:http://www.tsumugi-kan.jp/what/
奈良時代から愛されている塩沢紬には、長く愛される理由があります。
ここからは、塩沢紬の特徴を項目に分けて解説します。
塩沢紬の特徴は日本の伝統技巧の素晴らしさでもあるため、今一度伝統工芸のよさを確認しましょう。
上品でやわらかい素材
塩沢紬には生糸と玉糸、真綿手紬糸を使用しているため、上品でやわらかく仕上がります。
これらの糸は蚕の繭が原材料で、生糸は極細の繭糸、玉糸は節がある繭糸、そして真糸は蚕の繭を煮てやわらかくしたものです。
これらの糸をバランスよく使っていくことで、落ち着いた色合いのやわららかい着心地の塩沢紬が完成します。
蚕の繭から糸を紡ぐため、糸を作るだけでも時間がかかります。
また、昔は一般家庭でも蚕を飼育し繭から糸を取っていましたが、現代では生業としている業者のみ飼育しています。
そのため、繭糸を使用している塩沢紬は昔よりさらに価値があると言えるでしょう。
繊細で美しい模様
引用::https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/shiozawatsumugi/
塩沢紬は、極細の十字絣や亀甲絣などの繊細で美しい模様が特徴です。
塩沢紬はすべて職人の手作りで、絣糸を一つひとつ丁寧に手括り・手摺り込みという技法を用いて製作します。
手作りで行う分手間暇がかかりますが、これによって塩沢紬が美しいと評される亀甲絣や十字絣などの模様を作り上げるのです。
シックな色合いの塩沢紬ですが、繊細で美しい模様があることで華やかさを演出しています。
さまざまな模様があるため、自分好みの模様を見つけてみましょう。
塩沢紬の格と着用シーン
塩沢紬は素晴らしい模様が特徴ですが、着用できるシーンは入学式や結婚式などの式典に限られ格式のあるパーティーには適していません。
どちらかというと街着として着用されるため、カフェ・買いもの・花火大会など気負わないカジュアルなシーンに向いています。
また透け感があるため、着用季節は主に夏が適しています。
着用できるシーンや季節が限られるため、適切な場所や季節で塩沢紬を着用しましょう。
塩沢紬以外の「塩沢織」とは
引用:http://www.tsumugi-kan.jp/
塩沢紬は塩沢織に分類されますが、塩沢織には越後上布・本塩沢・夏塩沢の3種類があります。
ここでは、それぞれの特徴などをご紹介します。
越後上布(えちごじょうふ)
引用:https://www.yamadaori.jp/products.html
越後上布は麻織物の中でも最高級の品質を誇っています。
麻を使用することで撥水性・高吸水性・通気性が高く、熱がこもりにくくサラッとした着心地が魅力です。
さらに、素材や工程にも特徴があります。
素材は苧麻(からむし)という植物を使った本製糸を使用しており、職人の高い技術が必要になる手括りで織り上げて絣模様を作ります。
その後、特別な機械での機織り・湯もみ・足ふみという工程を経て、仕上げに越後地方の伝統的な技法である雪晒し(雪原に生地を広げて天日干し)で漂白を行い完成です。
高い品質と伝統的な技法が評価され、昭和30年には国の重要無形文化財に指定、さらに平成21年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。
本塩沢(ほんしおざわ)
引用:https://www.yamadaori.jp/products.html
「シボ」が特徴的な本塩沢は絹織物で、「塩沢お召し」という名で親しまれてきました。
シボとは、撚糸(ねんし)が縮むときにできるシワのことで、強撚糸という撚りを強くかけた糸を使用しています。
また、使用する糸の種類によってシボの大きさを変えることもシボの魅力の一つです。
そして、シボがあることで肌に触れる生地の面積が限定され、サラッとした肌触りが実現します。
そのため、本塩沢は夏の着物という位置づけです。
模様は塩沢紬と同じ十字絣と亀甲絣で、それらを組み合わせた細かい絣模様が品を醸し出しています。
夏塩沢(なつしおざわ)
引用:https://www.yamadaori.jp/products.html
夏塩沢は100年前の明治時代に夏用の織物が好まれたときがあり、その頃の人々の要望を叶える形で誕生しました。
名前に夏が付くのは、塩沢織の中でも一番暑い時期に着やすい絹織物を指しているからです。
駒撚り(こまより)という強撚糸を縦糸と横糸に使用して透け感を出し、サラッとした生地でシャリ感があることが特徴です。
さらに涼しさを感じやすくするために、生地は透けています。
そのため、着用する際は透け対策として長襦袢や裾除けなどを着用しましょう。
塩沢紬の買取価格相場
上品でやわらかく品がある塩沢紬ですが、買取という方法で手放すことを検討する方もいるでしょう。
塩沢紬の買取価格の相場は条件によって異なり、証紙がある・着丈が長い・150亀甲以上ある・やまだ織の塩沢紬であるなどの条件だと高価買取が期待できます。
証紙がある一般的な塩沢紬は高くて4万円、やまだ織の塩沢紬になると5万円以上での買取と相場に違いが出ます。
ただし証紙がない場合、一般的な塩沢紬でもやまだ織の塩沢紬でも1万5千円程度まで大きく下がる可能性があります。
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではありません
塩沢紬を高く売るポイント
引用:http://snow-country.jp/?a=usefuldetail&id=160&catid=1
塩沢紬を高く売るポイントはいくつかあります。
どのようなものでも、売るときの状態が価格に大きく影響します。
ここでは3つの項目に分けて解説するため、売る際の参考にしてください。
状態は良好か
まずは、状態が良好であるか確認しましょう。
買取の際、黄ばみ・シミ・シワ・汚れ・虫食い跡・裾切れ・カビ・糸のほつれなどの有無や程度がチェックポイントです。
そのため、少しでも綺麗な状態であれば高く売れる傾向にあります。
ただし、多少状態が悪くても希少価値がある塩沢紬は、高値が付くこもあります。
また、汚れの程度によっては、自宅で綺麗にしておくとよいでしょう。
着物専用のクリーニングに出すことも方法の一つですが、意外と料金がかかります。
クリーニング代が買取価格を上回ることもあるため、自宅でできる程度で綺麗にしましょう。
証紙などの付属品は揃っているか
証紙があり・なしで買取価格が大きく変わります。
なぜなら、証紙があることで着物の価値を証明できるからです。
本物の証紙は塩沢織物工業協同組合が発行元で、「本場塩沢」という文字が入っています。
雪晒しの絵、そして織元の工房名が入っているため、本物か偽物か見分けることが可能です。
また、塩沢紬は伝統工芸品に指定されているため、証明となる「伝統マーク」も付いています。
伝統マークは以下の4点を証明しています。
この4つが揃っていなければ伝統マークは付きません。
1.先染めの平織である 2.横糸の打ち込みには手投杼を使用している 3.縦糸に生糸・玉糸を使用し、横糸に真綿手紡糸を使用 4.絣糸の染色法は手括り・手摺り込み・板締めのいずれかである |
着物買取専門店で査定
塩沢紬の買取をしてもらう場合、着物買取専門店で知識が豊富な査定士のいる店舗にしましょう。
リサイクルショップや古着屋は持ち込みやすいですが、着物の知識や査定経験のある査定士がいないため、塩沢紬の価値を正しく判断できません。
本来高価買取をしてもらえる塩沢紬でも、価値がわからず低価格での買取となる可能性もあります。
塩沢紬は希少価値が高いため、似せた着物が多く生産・販売されています。
そのため、価値を正しく見極めてもらうために本物の塩沢紬を見極められる査定士が在籍しており、かつ塩沢紬を多く扱っている着物買取専門店に査定を依頼しましょう。
まとめ
塩沢紬は上品でやわらかい肌触りのある織物です。
歴史も古く、伝統工芸品でもあることから、偽物も出回っているため、着物の知識をもつ査定士が在籍する着物買取専門店で査定することをおすすめします。
ウリエルには専門知識と経験の豊富な査定士が在籍しています。
一つひとつ丁寧に査定いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
2つの買取方法