大島紬の買取価格相場や高価買取のポイント!着物の特徴や歴史、種類も
伝統的な絹織物として大変有名な大島紬(おおしまつむぎ)は、美しい見た目と上質な手触りが楽しめる高級品です。
今回は大島紬の歴史や特徴などとともに、買取相場や買取価格のポイントについても詳しくご紹介します。
自宅に眠っている大島紬の買取をお考えの方は、高価買取に自信のあるウリエルへご相談ください!
大島紬(おおしまつむぎ)とは
引用:https://store.kimono-yamato.com/Page/Feature_2021_oshimatsumugi.aspx
大島紬は奄美大島(鹿児島県)が発生の地であり、日本を代表する伝統的な高級絹織物として知られています。
フランスの「ゴブラン織」、イランの「ペルシャ絨毯」と並んで世界三大織物と呼ばれており、日本では結城紬(ゆうきつむぎ)、牛首紬(うしくびつむぎ)とともに三大紬としても有名です。
現在では、主に鹿児島市や宮崎県の都城市などの地域で製造されています。
定義
大島紬と呼べる織物には定義があり、決められた条件に当てはまる織物だけが正式な大島紬だと認められます。
まずは絹100%であることと先染であることです。
先染とは糸を織る前に染色することで、大島紬は染色した絹100%の糸を織って作られます。
また大島紬は、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に上下する平織りで手織りであることと定められています。
その他にも、締機(しめばた)で手作業による加工をしたものであること、手機(てばた)で絣合わせ(かすりあわせ)て織り上げたものであることなどの細かい条件も満たさなければなりません。
30以上もの工程を経て生み出される大島紬の生地は、1つ作り上げるのに半年~1年もの時間を要すると言われており、大変貴重な品として取引されます。
特徴
引用:https://ichiri-mall.jp/shop/g/g0082000112968/
大島紬の特徴は、なんといっても美しい図柄や優雅な光沢にあります。
絹100%で作られる大島紬は、手に取るとしなやかで軽く、シワになりにくい点も魅力の一つです。
大島紬を織る絹糸の染色は、「テーチ木(シャリンバイ)」という鹿児島県の奄美エリアに生えている植物の煎汁液と鉄分を含む泥土を使用します。
この泥土の成分により、虫食いが起きにくく、丈夫で長持ちすると言われています。
自然由来の染色方法によるこげ茶の有機的な色合いも人気です。
歴史
大島紬はとても長い歴史があり、奄美大島に自生するテーチ木やその他の草木を使う泥染めは、1300年前にはすでに奄美では文化として根付いていたと言われています。
当時は島民たちが普段着として愛用していましたが、見た目も手触りも見事な大島紬は、江戸幕府の支配下で貴重品として注目され、薩摩藩への上納品にも選ばれました。
その後、庶民の「着用禁止令」が下されたことで、大島紬は高級織物として扱われるようになっていきます。
明治中期からさらに注目度が上がり、大正中期になると練玉糸から本絹練糸へと変わり、現在の「光沢感のある大島紬」が完成しました。
2020年代以降は「テキスタイル」と呼ばれる伝統的な泥染や機織りの技法を応用し、洋服やネクタイ、マスク、ブックカバー、カバンなどさまざまな商品が作られます。
伝統的な技法と現代の真新しさが融合し、年齢を問わずたくさんの人に親しまれるように変化しています。
最盛期の1970年代にはおよそ28万反ほどの生産量がありましたが、継承者不足により、2000年代に入ってその数は減少傾向となっており、今後はますますその希少価値が高まっていくと考えられます。
格や用途
光沢のある見た目で美しく、高級感がある大島紬はさまざまなシーンに愛用できます。
上質で特別感のある織物ですが、決して敷居の高い場でしか着られない着物ではありません。
生花や琴など趣のあるお稽古や趣味の場、観劇や外食など普段よりもきちんとしたお出かけ着がふさわしい場、同窓会や結婚式の二次会などにも着用できます。
紋付で無地になると格が上がりますので、正式なフォーマル着としても着用できます。
花や鳥などの模様が続くようにデザインされた絵羽柄(えばがら)も無地と同じように格上の着物と認識されており、振袖や留袖にも使用されます。
種類
大島紬は絣糸(かすりいと)の染色方法などにより、主に6つの種類に分けることができます
絣糸とは1本で2色以上に染色された糸のことです。
大島紬は絣糸と地糸の組み合わせによってたくさんの種類がありますが、一般的には以下のものが有名です。
種類ごとに独特な魅力と風合いがあり、また違った雰囲気を楽しめるでしょう。
泥大島紬
絣糸が泥白で、地糸が泥染のものです。
全体的に自然な趣が感じられる褐色をしています。
泥藍大島紬
絣糸が藍染めで、地糸が泥染のものです。
植物藍の色と泥の褐色が合わさり、落ち着いた印象の藍色に仕上がります。
正藍大島紬
絣糸と地糸をともに藍染めしたものです。
美しく深い藍色が特徴で、年齢を問わず着こなせるのが魅力です。
草木染大島紬
絣糸と地糸をともに草木染色したものです。
使用する材料によってさまざまな色を楽しめます。
白大島紬
地糸に白糸を使用しているものです。
白大島紬は、絹糸の美しい光沢を存分に味わえます。
暑い夏のお出かけなどにも涼しげで爽やかな雰囲気が人気です。
色大島紬
絣糸と地糸をともに化学染料で染色したものです。
伝統的な大島紬を現代風にアレンジしています。
天然染料を使用したものに比べて、はっきりとしたカラフルな色合いが特徴です。
柄(文様)
引用:http://www.tumugi.co.jp/tsumugi/oshimatsumugi.html
大島紬に使用される文様は、時代性や技術革新によって多様に移り変わってきましたが、描かれるモチーフは常に自然の草花が主体となっています。
代表的なものは龍郷柄(たつごうがら)と亀甲柄(きっこうがら)の2種類です。
龍郷柄は奄美に自生する植物のソテツの葉や実をデザインしたもので、龍郷という地域で発案されたためこの名が付けられました。
柄は大小さまざまな大きさのものがあり、1つの柄を「玉」と呼び、1反の中にどれだけの数の玉があるかで価値が変わります。
亀甲柄は、その名の通り亀の甲羅をデザインしたもので、全国的に長寿など縁起のよい柄として人気です。
結婚式などの正式なおめでたい場にフォーマルな着物として着用できます。
買取価格相場と査定時のポイント
引用:https://www.photo-ac.com/
大島紬は高級品のため、平均買取価格は中古品でも13,000円ほどであり、手織りの伝統工芸品で新品のものであれば1,000,000円以上になることも珍しくありません。
ご自宅に眠っている大島紬は、状態のよいうちに買取に出すのがおすすめです。
一般的に大島紬は、「希少性が高いこと」「伝統工芸品としてのブランドがある」という理由から高額査定されやすいですが、反物だからと言って価格は上がりにくいのが特徴です。
買取時の査定のポイントは、状態の綺麗さ、丈の長さ、産地、染色方法などによって大きく変化します。
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではありません。
状態は綺麗か
大島紬を買取に出した場合の査定では、まず全体の状態が綺麗かチェックします。
シミやシワ、虫食い跡などがないか、目立つ黄ばみや汚れ、カビ、裾切れや糸のほつれの有無など細かく確認しましょう。
長年タンスの肥やしになっている場合、経年劣化によって買取価格はどんどん低下していくため、なるべく早く査定に出すことを検討してみてください。
丈は長いか
大島紬の買取時の査定では、着物の丈の長さも重要な判断基準となるでしょう。
丈が短い着物の場合は背が低い小柄な人にしか需要がないため、買取価格は安くなる傾向にあります。
長い丈の場合は、背が高い大柄な人から小柄な人に合わせて幅広く仕立て直せるため、需要が増え、高値が付くことも珍しくありません。
付加価値はあるか
さらに買取時の査定ポイントとして、大島紬ならではの付加価値も重要視されます。
奄美大島で作られた場合、「本場奄美大島紬」を証明する認定マークが付けられていて、このマークがあるほうが価値も高いとされています。
その他にも、機械織りよりも製造工程が多く手間をかけて作られた手織りの大島紬のほうが、希少性の高い技法も使われているため高額買取になりやすいです。
また、産地によるブランドも価格査定の評価対象です。
高価買取するための注意点
思い入れのある大切な大島紬を少しでも高価買取してもらうためには、いくつかの注意点があります。
これから大島紬の買取をしようと考えている方は、査定に出す前に以下の点をしっかり確認してみてください。
綺麗に保管する
高価買取のためには、綺麗に保管することがなによりも大切です。
着用した後はしっかり陰干しを行い、長年使っていないものも年に一度はタンスから出して風に当てるようにしましょう。
また、大島紬は鉄分を含む泥土によって染色しているため虫食いなどには強いですが、他の着物と同様、湿気は大敵です。
タンスに収納するときは着物向けの「たとう紙」に包んで保管するとよいでしょう。
たとう紙は呉服屋さんなどで購入でき、ネット通販でも手に入ります。
高級な大島紬には、たとう紙も湿気をよく吸い取ってくれる和紙などを使った高品質なものがおすすめです。
保管状態は手間をかければそれだけ長く綺麗な状態を維持できますので、買取価格も大きく変動します。
証紙は必須
大島紬に限らず、着物の高価買取には証紙が欠かせません。
証紙には「産地証明」と「伝統マーク」の2つが表示されています。
本場大島紬の「産地証明」には奄美大島産を証明する「地球印」、鹿児島県産の「旗印」、宮崎県産の「鶴印」の3種類のいずれかが貼られており、どこで作られたものかが一目でわかるようになっています。
経済産業省認可である「伝統マーク」は手織りか、または半機械織りの一部のものにしか付いていません。
当然このマークが付いているほうが価値は上がるため、買取価格も高くなります。
証紙は大島紬のブランドの価値を見極めるだけでなく、偽物ではないことを証明する大切なものです。
証紙がない場合、買取価格は数千~数万円ほど大幅に下がってしまうため、特に注意して確認しておきましょう。
着物買取専門店で売る
大島紬などの高級着物に関しては専門的な知識が必要です。
高価買取を希望する場合は、知識や経験が豊富な専門の査定士がいるお店を選ぶことも重要なポイントとなるでしょう。
リサイクルショップや古着屋でも着物の買取を行なっているところはありますが、きちんと価値を判断してほしいときは、やはり着物買取専門店を利用するのがおすすめです。
出張買取を行なっているお店もあり、現金買取が可能なお店もあります。
まとめ
伝統工芸品である本場の大島紬はとても希少価値の高い商品です。
大切に保管していた思い出の大島紬の買取をお考えの方は、着物買取専門店として実績が高く高価買取に自信のあるウリエルへぜひご相談ください!
2つの買取方法