丸帯とは?袋帯や名古屋帯との違いや歴史、結び方を解説!買取相場や高く売るポイントも
江戸時代から礼装用として使われてきた丸帯は、最も格の高い帯として知られています。
そんな丸帯の特徴や歴史を詳しく解説し、丸帯の魅力をご紹介していくのでご覧ください。
さらに、手元にある丸帯を買取に出したい人のために、丸帯の買取相場や高く売るポイントについても解説します。
豪華な丸帯は普段使いがしにくいことから、タンスに眠ったままという人も多いです。
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丸帯とは?
丸帯はさまざまな帯の中でも最も格が高く、花嫁が身に付ける引き振袖や白無垢、色打掛、また舞妓さんの着物に使われています。
その他には、子ども用の丸帯が七五三の衣装に使われるなど、特別なシーンで登場する華やかな雰囲気の帯です。
丸帯の歴史
丸帯が登場したのは江戸時代の中期のことです。
江戸時代、女性の間で大きな髷(まげ)を結ったボリュームのあるヘアスタイルが流行したことにより、髪型とバランスを取るために帯の幅が広い丸帯が登場し、正装用として身に付けられるようになりました。
戦前までは正装用の帯として使われましたが、戦後には手軽な袋帯が登場し、婚礼衣装や舞妓さんの衣装のような特別な場面で使われる帯となったのです。
丸帯の特徴や袋帯との違い
仕立て
丸帯は幅1尺8寸5分(約70cm)以上、長さが1尺5寸(約4m35cm)以上の帯地を使って作られます。
豪華に織られた帯地を2つに折って端を縫い合わせるため、表も裏も同じ柄です。
帯は幅32~34cmほど、長さ4m前後に仕上がります。
それに対して袋帯は、「模様が入った表地」と「無地の裏地」の2枚の別生地を縫い合わせて作るので、丸帯に比べると重さが軽くなるのが特徴です。
重く分厚い
色とりどりの糸や金糸、銀糸を使って織られた生地を表にも裏にも使っている丸帯は、厚みがあり、結ぶのが難しい帯です。
裏地は無地になっている袋帯と比べると、まるで袋帯2本を巻いて締めるようなものなので、重量感もあります。
素材
丸帯の素材は正絹が使われることが多いですが、なかには人絹(レーヨンなど合成繊維を使って作られた絹に似せた糸)で織られた丸帯もあります。
袋帯も礼装に使われることが多い格の高い帯なので、正絹を使ったものが中心です。
柄や文様
金糸や銀糸をふんだんに使った豪華な色柄が、すべて刺繍で入っているのが丸帯の特徴で、古典文様や吉祥文様が描かれているものがほとんどです。
金襴(きんらん)や緞子(どんす)、錦織(にしきおり)といった華やかな文様を織り出した生地を使っているため、どこから見ても美しく、特別感があります。
また、袋帯は柄や文様の種類が多く、なかにはおしゃれ着として使えるようなカジュアルなタイプもあります。
丸帯の結び方
丸帯は袋帯に比べると長さが短めで厚みがあり、結びにくいことから、二重太鼓ではなく一重太鼓で結ぶことが多い帯です。
本来はおめでたい席では二重太鼓、普段着や不祝儀の席では一重太鼓で結ぶのが一般的ですが、丸帯に関しては帯自体がとても華やかであることから、おめでたい席でも一重太鼓で失礼になることはありません。
その他、お太鼓とたれ先が重なる「引き抜き結び」や、結った両端を長く下げる「だらり結び」などがあります。
その他の帯の種類
帯にはさまざまな種類があるので、ここでは他の帯についてもご紹介します。
袋帯
戦後、丸帯に代わって礼装に使える帯として登場したのが袋帯で、表地と裏地が袋状に縫い合わさっているのが特徴です。
格式の高い豪華な模様が施されたものは、セレモニーやお祝いの席などで礼装用として使われます。
その他にも気軽に使えるような柄もあり、幅広いシーンで活躍する帯と言えるでしょう。
名古屋帯
袋帯よりも気軽に着付けができるように作られた名古屋帯は、小紋や紬(つむぎ)、お召などに合います。
長さが短く二重太鼓にできないのでフォーマルな席には不向きですが、普段のお出かけやカジュアルな集まりなどに活躍する帯です。
名古屋帯についてはこちらの記事をお読みください。
袋名古屋帯
名古屋帯は帯芯が入っているのですが、袋名古屋帯には帯芯が入っていません。
また、名前には「袋」とありますが、袋状にはなっておらず、1枚の帯地の端をかがって帯に仕立てています。
袋帯と名古屋帯のよいところを合わせた帯で、軽くて結びやすいところが魅力です。
半幅帯
半幅帯は幅が袋帯や名古屋帯の半分の4寸で、帯揚げや帯締めを使わずにさまざまな巻き方で楽しめます。
浴衣や普段着の着物、羽織、袴の下などに使う、簡易的な帯です。
細帯
半幅帯よりも細く、3寸ほどの帯で、浴衣や羽織下などに使う帯として昔は日常的に使う人が多かったようです。
現在は見かけることが少なくなった帯ですが、卒業式の袴下帯として使われることもあります。
丸帯の買取価格相場
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%B8%E5%B8%AF
丸帯は袋帯の登場以来、数が少なくなってとても貴重であり、最近はアンティークとして人気があることから買取価格は高めになることが期待できます。
価格はおよそ1万円前後から、作家物や有名メーカーの品だと数十万円になることもあります。
丸帯は格式がとても高く、普段は使わず保管してあることが多い帯なので、その保管状態によっても価格は大きく変動するでしょう。
また古い時代のものが多いので、使わない丸帯は状態がよいうちに早めに買取に出すのがおすすめです。
丸帯を高く売るポイント
せっかく大事な丸帯を手放すなら、なるべく高く売りたいと考えるのが自然でしょう。
ここでは丸帯を高く売るポイントをご紹介します。
証紙や付属品の有無
帯の価値や品質を証明する「証紙」がある場合は、丸帯を買取に出す際に一緒に査定に出しましょう。
特に作家物の場合には、本物であることが証紙によって簡単に区別できるので、買取価格に大きく影響します。
また高く売るためには、付属品などもすべて持っていくことが大切です。
帯の管理状態
帯が正しく保管され、綺麗な状態であれば買取価格は高くなります。
汚れやシミ、カビ、虫食いなどにならないように管理しておきましょう。
また、査定に出す前には虫干しを行い、湿気を飛ばしておくのがおすすめです。
しかし、シミやカビなどが気になるからといって買取に出すためにクリーニングに出しても、クリーニング代よりも買取価格が低くなる可能性もあるため、そのままの状態で査定に出しましょう。
もしもカビが生えてしまった場合はこちらの記事を参考にしてみてください。
着物買取専門店で売る
丸帯はとても貴重で高価な帯ですが、現在はあまり作られていないことから着物に詳しい査定士でなければ正しく価値が判断できません。
古い時代の丸帯だと、リサイクルショップなどに持ち込んでも、古いということだけで低い価格が付けられてしまう可能性があります。
またフリマアプリに出品する場合には、自分で価格を決めなければならず、本来の価値よりも低い価格で売ってしまうリスクがあるのでおすすめできません。
丸帯を買取査定に出すときは、着物や帯に関して深い知識をもつ査定士のいる着物買取専門店に依頼するとよいでしょう。
まとめ
最近では花嫁衣装や舞妓さんの衣装にしか登場しなくなりましたが、丸帯は江戸時代から昭和の初めには多くの女性が身に付けていた、華やかで格の高い帯です。
普段使いやお呼ばれなどでは使えない丸帯ですが、昨今のアンティークブームによって、丸帯の人気が高まっていて注目を集めています。
さらに状態のよい丸帯は珍しいため、買取価格も高くなる傾向があります。
使っていない丸帯がタンスの中で眠っているというときは、ぜひお気軽にウリエルまでご相談ください。
経験豊富で着物や帯について詳しい査定士が、大切な丸帯を丁寧に査定いたします。
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