重要無形文化【久留米絣】の特徴や買取相場は?歴史や高く売るコツも解説
久留米絣の処分にお困りではございませんか?
久留米絣は福岡県久留米市周辺で生産されている日本三大絣の一つで、「国の重要無形文化財」にも指定されています。
久留米絣は服に頓着しなかった太宰治が愛用していたことでも有名です。
特に有名作家が手がけた久留米絣は高価買取が期待できます。
※ウリエルでは基本的に絣着物は買取不可ですが、希少価値が高いものであれば高価買取となる可能性もあります。まずはお気軽にお問い合わせください。
久留米絣(くるめがすり)とは
久留米絣は、福岡県久留米市周辺でつくられている日本三大絣の一つです。
1957年には木綿で初めて国の重要無形文化財に指定されました。
久留米絣が誕生したのは江戸時代後期の1800年頃で、当時12歳だった井上伝(いのうえでん)という少女が久留米絣の織り方を発案しました。
久留米絣の白い柄は、先に糸の束を縛った絣括り(かすりくくり)を染色し、色が染まらない部分と染まる部分を分けてから織る作業によって生み出されています。
久留米絣の特徴
現在でも、久留米絣が出来上がるまでの約30工程が手作業で行われています。
久留米絣は技術を持った熟練の職人によって仕上げられ、久留米絣が完成するまでに3か月かかる場合もあるそうです。
以下では、久留米絣の素材や文様、色味などについて解説します。
着るほどに肌になじむ着心地のよい素材感
久留米絣の生地には吸収性や保湿性に優れた木綿が使用されています。
木綿には季節に応じて人間の体温を調節する効果があるので、夏は涼しく冬は暖かく、いつでも快適に着られます。
現在、機械で織られている久留米絣もありますが、手織り作業によって織りあげられた久留米絣のほうが生地もやわらかく、着心地がよいと評判です。
味わいのある文様
久留米絣の文様は、「にじみ」「かすれ」の独特な風合いが特徴です。
「にじみ」「かすれ」の独特な風合いは、織り作業の前に行われる糸の束を縛った絣括り(かすりくくり)を染色する作業によって生み出されます。
糸束を縛る括り作業は、全体の仕上がりをも左右する非常に繊細で難しい作業なので、熟練した技が必要です。
〈柄の種類〉
種類 | 特徴 |
本絣 | タテ糸とヨコ糸を括ってつくられる柄です。 柄合わせが難しく、熟練の技術が必要です。 |
絵絣 | 久留米絣を代表する柄です。 ヨコ糸を括って絣糸をつくり、柄を織り出します。 |
板絣 | タテ糸を括って絣糸をつくり、織り出される絣です。 他の絣と比べてシャープな印象があります。 |
文人絣 | 括りではなく織締で絣糸がつくられます。 細かい柄の絣が特徴的で、一般的に「男絣」と呼ばれます。 |
深みと鮮やかさのある色味
久留米絣は、深みと鮮やかさのある藍色が特徴です。
久留米絣の糸染めには、天然の藍を発酵させる昔ながらの染色方法「かせ染め」が用いられています。
また、藍は天然で純正のものが使用されており、鮮やかで美しい藍色を生み出しています。
久留米絣の買取相場
久留米絣は伊予絣・備後絣と並ぶ日本三大絣の一つで、中でも希少価値が高いものであれば高価買取が期待できます。
以下では、高い値が付きやすい久留米絣について紹介します。
伝統工芸品かどうかで価値が異なる
高価買取が期待できる久留米絣は、伝統工芸品に指定されているものです。
伝統工芸品の指定がない久留米絣は数千円ですが、重要無形文化財や伝統工芸品に指定されているものは1万円以上の値が付きます。
お持ちの久留米絣が伝統工芸品に指定されているかどうかは、証紙で確認できます。
証紙とは、着物の価値を一目で証明できる名刺のようなもので、ほとんどの久留米絣に証紙がついています。
重要無形文化財は赤字の四角い形をした証紙で、伝統工芸品は薄い緑色の地に伝統マークがついた証紙です。
有名作家の反物は10万円以上の値が付くことも
松枝玉記(まつえだたまき)や森山虎雄(もりやまとらお)などの有名作家が手がけた反物は、高価買取が期待できます。
松枝玉記は、1959年に人間国宝に認定された日本の作家です。
松枝玉記の久留米絣は文様が大きいのが特徴で、白い文様と藍色の生地の境目もはっきりしています。
代表的作は「畑の詩」「風船」「風と光」などで、非常に希少価値が高く、市場にほとんど出回っていません。
松枝玉記の久留米絣の買取相場は~150,000円前後です。
森山虎雄の久留米絣は、機械織では再現できない小さくて細かい文様と藍の濃淡が特徴です。
柄の細かさと技術力が高く評価され、1959年に人間国宝に認定されました。
代表作は「サファイアブルー」「霧雨」「アラレと十字」などで、50,000円前後の買取価格がつきます。
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではありません。
久留米絣を高く売るポイント
引用:https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/kurumegasuri/
久留米絣は、産地や種類、保管状態などで買取価格が変わります。
以下で久留米絣を高く売るポイントを解説します。
証紙の有無を確認する
久留米絣の買取価格は、証紙の有無で左右されます。
証紙は久留米絣を購入した際に一緒についてくる紙で、機械織りの久留米絣にもついてきます。
着物と証紙をセットで保管し、紛失を防ぎましょう。
また、証紙には4種類あり、証紙を見るだけで価値の判断ができます。
〈証紙の種類〉
証紙の種類 | 特徴 |
「久留米かすり」の文字が入った証紙 | 久留米絣協同組合の証紙。 伝統的工芸品の証紙は文字の下が薄い緑色で、機械織りは文字の下がベージュ色になっている |
「検査之証」の文字が入った証紙 | 久留米絣協同組合の証紙。 横長の楕円形をしており、文字の下が金色になっている。 |
「重要無形文化財」の文字が入った証紙 | 久留米絣協同組合の証紙。 横長の四角い形をしており、文字は赤字で書かれている。 |
伝統証紙 | 伝統工芸品産業振興協会の証紙。 伝統工芸品を示す「伝統マーク」がついている。 |
なるべく早く売る
不要な久留米絣がある場合、早めの売却がおすすめです。
久留米絣は木綿素材なので湿気を吸いやすく、長年保管しておくとカビやシミなどが発生する可能性があります。
特に、日本は高温多湿な気候であるため、着物の状態が悪くなりやすいです。
売却を考えているときが1番綺麗な状態なので、早めに査定に出しましょう。
綺麗に保管する
できるだけ綺麗な状態の久留米絣のほうが高価買取も期待できます。
落ちそうなシミや汚れであれば、やわらかい布で優しく拭き取ってから査定に出しましょう。
しかし、落とすのが難しそうなシミや汚れは無理して落とす必要はありません。
クリーニングに出すと、クリーニング代のほうが高くついてしまう可能性もあるので、そのまま査定に出すことをおすすめします。
着物買取専門店で依頼する
久留米絣の売却は、着物買取専門店に依頼するのがおすすめです。
着物の買取自体は、フリマアプリやネットオークション、リサイクルショップなどでも可能です。
しかし、久留米絣は価値の見極めが難しいため、買取のプロ以外に依頼すると安く査定をされてしまう可能性があります。
着物買取専門業者には、着物に関する知識・買取経験の豊富な査定士が在籍しているので、本来の価値以下に価格が下がることはありません。
まとめ
久留米絣は福岡県久留米市周辺でつくられている絣で、国の重要無形文化財にも指定されています。
久留米絣の中でも、伝統工芸品に指定されているものや有名作家が手がけたものは、高価買取となる可能性もあります。
※ウリエルでは基本的に絣着物は買取不可ですが、希少価値が高いものであれば高価買取となる可能性もあります。
まずはお問い合わせください。
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