北村武資作品(着物や袋帯)の特徴は?買取相場や高く売るコツをご紹介
北村武資(きたむらたけし)は、「羅」の技法で重要無形文化財保持者に認定された人間国宝の染織家です。
北村武資が織りなす着物や帯は、古きよきものを今の時代に合うように生まれ変わらせています。
この記事では、北村武資の作品の特徴や買取価格を詳しくご紹介します。
着物を手放すことを検討しているなら、高値で査定されるコツもご覧ください。
北村武資(きたむらたけし)とは?
引用:https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2011/388.html
重要無形文化財保持者(人間国宝)である北村武資は、1935年に京都で生まれました。
織物の世界に入ったのは15歳の頃で、始めは京都西陣の機屋で5年間働きました。
その後は特定の人に弟子入りをすることなく、さまざまな工房で技術を習得してきたそうです。
1959年に大阪高島屋で出会った「初代龍村平蔵展」に感銘を受けたことをきっかけに、龍村美術織物株式会社へと入社しました。
その後も、京都の友禅作家である森口華弘による染織研究会に参加するなど新しいチャレンジを続け、さまざまな賞を受賞し実力が広く認められた腕前の持ち主です。
1965年 | 伝統工芸日本染織展 工芸会会長賞受賞 |
日本伝統工芸展 入選 | |
1968年 | 日本伝統工芸展 NHK会長賞受賞 |
1995年 | 「羅」の技法で重要無形文化財保持者に認定 |
1996年 | 紫綬褒章受賞 |
2000年 | 「経錦」の技法で重要無形文化財保持者に認定 |
2005年 | 旭日中綬章受賞 |
また、日本伝統工芸展に4回入選した人だけに認められている、日本工芸会の正会員でもあります。
北村武資の「羅」
羅とは絡み合う経糸の間に緯糸を通して織る手法で、古代の時代に中国から伝わって作られていたと言われています。
大変手間がかかることから次第に衰退してしまった羅でしたが、北村武資は1972年に中国で発掘された羅の写真を見て大きな感銘を受け、羅の再現に挑戦したのです。
緻密な技術で織られる羅は歴史的に、そして芸術的に高い価値を持つものであり、その技術を持つ北村武資は、重要無形文化財保持者に認定されています。
北村武資の「経錦(たてにしき)」
中国の前漢時代に作られていたという経錦は、魏帝(ぎてい)から卑弥呼への貢ぎ物として贈られたものが日本における最古のものだと記録されています。
経糸の浮き沈みによって地と文様を表現するもので、高度な技術が必要とされる複雑な織物です。
使う配色の数の分だけ経糸を使うため、文様が複雑になればなるほど織るのも困難になります。
北村武資の優れた色彩感覚が活きる経錦は、工芸品として高い評価を受けています。
北村武資の着物や帯の特徴
引用:https://www.kimonoichiba.com/products/detail.php?k_pid=1292421
北村武資が作る「長い歴史を持つ古代織を復元させた作品」は、古くからあるものをそのまま蘇らせるだけでなく、今の時代に合うものに生まれ変わらせているのが特徴です。
着物や帯の世界では落ち着いた色を使って着やすさや合わせやすさを重視するのが一般的ですが、北村武資の作品は明るく鮮やかな色の糸も積極的に取り入れています。
糸を単体で見るのではなく、織物の中に組み込んだときにどう見せるのかを考えて選んでいるため、とても上品で華やかさのある織物に仕上がるのです。
これは、幼い頃から織物が盛んな地域で育ち学び、織物の技術や本質を身に付けてきたからこそできることと言えます。
伝統工芸品としても、実用的な和装としても魅力に溢れているのが北村武資の着物や帯なのではないでしょうか。
北村武資の代表的な作品
引用:https://www.kimono-aoki.jp/sellection/sellection-26539#jp-carousel-26597
北村武資の作品といえば「羅」や「経錦」が有名ですが、忘れてはいけない技法に「煌彩錦(こうさいにしき)」があります。
煌彩錦は、先染めの絹糸や金糸、銀糸を使って地色や文様を表現する錦織の一つです。
美しい帯は公家の調度品などに使用されていた有職文様が施され、フォーマルな席やお茶会、観劇など幅広いシーンで身に着けられる帯として大変人気があります。
また、実用的な帯の他にも、北村武資は芸術品と呼べるさまざまな織物を日本伝統工芸展などに出品しています。
・帯「連」(NHK会長賞受賞)
・羽織「上代文羅」(日本工芸会賞)
・金銀花欅文羅装束裂(日本工芸会保持者賞)
煌彩錦や羅、経錦はいずれも長時間にわたる作業によって作られますが、北村武資は現在も新たな挑戦を続け、素晴らしい作品を生み出しています。
北村武資が生み出す作品の買取価格相場
人間国宝である北村武資の作品は、買取価格相場が高額になる傾向にあります。
現在も現役で作品を生み出しているため、新しい作品が評価されるのは当然ながら、、過去の作品も同じように人気が高いのが特徴です。
過去に作られた作品でも、未使用品であれば高額査定が期待できるでしょう。
また、作品によって価格が大きく変わるため、平均買取価格は8万~10万円ほどですが、人気の作品や状態がよい作品であれば平均よりも高額になる可能性があります。
中古着物を販売するお店やオンラインショップでは、30万円台~580万円前後と幅広い価格帯で販売されていることから、北村武資の作品は中古市場でも人気が高く、買取価格も高値になりやすいのです。
北村武資の着物や帯を高く売る方法
引用:http://www.okimono.jp/info/item_detail/index/213.html
保管状態は良好か
高価で貴重な北村武資の作品でも、保管状態が悪くシワや汚れ、虫食いなどがあると買取価格は下がってしまいます。
売却をする際に高値で査定されるには、正しく保管することが大切です。
着物の保管は直射日光が当たらないことや高温多湿ではないことに加えて、取り扱いやお手入れにも注意しましょう。
たとう紙で包む
着物を保管する際は、シワにならないように長方形に畳んでたとう紙で包むのが基本です。
たとう紙は吸湿性がよいため、湿気を嫌う着物の収納に最適です。
1~2年くらいを目安に新しいたとう紙と交換して、いつも綺麗な状態にしておきます。
また、たとう紙にシミができると、シミが着物に移ってしまう場合があるので、シミがついたたとう紙はすぐに交換しましょう。
桐のタンスや収納箱に収納する
「着物を収納するのは桐のタンスが1番だ」と言われるのには理由があります。
・湿度を一定に保てる
・虫がつきにくい
・燃えにくい
桐タンスには、大切な着物の収納に最適な機能があります。
とはいえ、現在は和室がない住宅もあり、タンスを持たない人も多いはずです。
そんな場合は、桐で作られた収納箱を活用するとよいでしょう。
押し入れに入れるプラスチックの収納ケースの代わりに桐の収納箱にすることで、カビや虫食いを防ぐことが可能です。
虫干しをする
絹糸の着物はカビやすく虫に食われやすいので、定期的に直射日光が当たらない部屋で着物に風を通すように干す「虫干し」を行いましょう。
虫干しを行うタイミングは、2日以上晴れが続いた翌日がおすすめです。
時間帯は朝から午後3時頃までがよいでしょう。
お住まいの地域の気候やライフスタイルによって、虫干しを行うことができる時期はさまざまです。
・梅雨の湿気を払うため夏の初め頃
・夏についた虫を払うため初秋
・空気が乾燥している冬
都合のよい時期に、着物やたとう紙、タンスのお手入れを行いましょう。
証紙はあるか
価値が高い着物を買取査定に出すときは、着物に付いている証紙を一緒に出すことを忘れてはいけません。
証紙にはさまざまな情報が記載されており、着物の価値を証明してくれる重要なものです。
・産地
・製造元
・伝統工芸品マーク
・織り方
・原材料
・染め方
少しでも査定金額を上げるためにも、忘れずに査定に出しましょう。
なるべく早く売る
「北村武資の作品を持っているけれど使うことがない」「遺産として相続したけれど着物を着る機会がない」という場合には早めに売却することをおすすめします。
着物は保管したままにしていると徐々に劣化してしまううえに、それを防ぐためのお手入れには大変手間がかかります。
価値が高いうちに高値で買取をしてもらった方がお得です。
専門の査定士が在籍する買取専門店で売る
人間国宝による作品などの高価な着物や帯は、経験や知識の豊富な専門の査定士がいる買取専門店に依頼するのがおすすめです。
街のリサイクルショップや質屋などに持ち込むと、着物の価値が判断できず安値が付けられてしまうことがあるので注意しましょう。
まとめ
引用:https://www.kimonoichiba.com/products/detail.php?k_pid=1273034
和装が好きなら1度は着てみたいと思うのが「北村武資の着物や帯」です。
重要無形文化財保持者による高い技術で作られる作品は、買取査定金額が高くなる傾向があります。
北村武資の作品をお持ちで手放すことを検討しているならば、早めに査定に出して高価買取をしてもらいましょう。
ウリエルでは着物の査定経験や知識の豊富な査定士が在籍しています。
大事な着物を手放すのであれば、ぜひウリエルにお任せください。
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