家紋入り着物(喪服や留袖)は買取可能?買取相場や高価買取のポイント、処分方法もご紹介
家紋入り着物は、買取ができないと思っていませんか?
実は需要の低い家紋入り着物でも、種類によっては買取可能な場合もあります。
処分する前に、今回ご紹介する家紋入り着物の買取相場や、高額査定のポイントを確認してみましょう。
※ウリエルでは「喪服」は買取対象外です。
また家紋入り着物も基本的に買取不可ですが、お品物によっては高価買取となる可能性もあります。
まずはお気軽にご相談ください。
家紋入り着物とは?
家紋とは?
家紋とは、先祖代々その家に受け継がれている紋章のことで、定紋(じょうもん)とも呼ばれています。
家紋の起源は諸説ありますが、平安時代の公家の車紋に使われていたという説が最も古いそうです。
江戸時代以降には格式を表すシンボルとなり、印籠や提灯に使われるようになりました。
そして、明治時代に入ると庶民でも家紋がもてるようになり、家ごとに自由なデザインが生まれたのです。
同じ名字であっても家が違えば家紋は異なるため、そのデザインは5,000種類以上もあると言われています。
格式高い家紋としては、天皇(皇室)の「菊の紋章(十六八重表菊)」や、徳川家の「葵の紋章」が有名でしょう。
しかし、自分の家の家紋がわからないという人も多いのではないでしょうか。
その場合は、自分が入る予定のお墓の墓石に刻まれている家紋を参考にしてみるとよいでしょう。
家紋は、他国では見られない日本独自の文化であり、誰の家にも必ず受け継がれているものなのです。
家紋入り着物の種類
紋付(もんつき)着物とも呼ばれる家紋入り着物には、さまざまな種類があります。
黒留袖や色留袖、喪服などのほかに、訪問着などにも家紋が入っている場合があり、家紋入り着物は礼装用と普段使い用のどちらにも該当すると覚えておきましょう。
ちなみに礼装の場合は、家紋の数と位置が決まっています。
家紋を入れる位置には、背縫いの中央に入れる「背紋」、両袖の後ろに入れる「袖紋」、胸元に入れる「抱き紋」の3つがあり、格式によって数は変化します。
最も格式高い礼装である黒留袖や黒喪服は、背紋・袖紋・抱き紋の五つ紋、準礼装である色留袖などには背紋・袖紋の三つ紋、略礼装である訪問着などには背紋のみの一つ紋が基本です。
つまり、家紋の数が増えるほど格が高くなるということです。
逆に言えば、家紋の数が増えるほど重要な場面で着る着物になるので、着る機会が少ないということにもなります。
家紋入り着物は買い取ってもらえるのか
喪服などの家紋入り着物は、着る機会も少ないでしょう。
また、家紋が入っていれば着る人も限定されてしまいます。
中古品としての需要が少ない家紋入り着物ですが、買取は可能なのでしょうか?
基本的には家紋入りの着物でも買取対象
着物の買取の可否は、どのくらい需要があり、どのくらい価値があるのかという総合的な評価で決まります。
つまり、家紋入り着物でも買取は可能だということです。
最近では家紋の捉え方がラフになってきており、装飾的な意味合いも強くなっています。
レンタルの需要が増えたこともあり、家紋を気にしない人も多くなってきました。
別の家紋が入った着物を着用する際に、「家紋シール」で自分の家の家紋を貼り付けて使用する場合もあるようです。
また、「通紋(つうもん)」と呼ばれる家紋の場合は、着る人を選ばないので買取に影響しにくいでしょう。
通紋とは、少数の家で独占できなくなった家紋のことを指します。
有名なのは「五三の桐(ごさんのきり)」と呼ばれる家紋で、レンタル品でも多く使用されています。
ただし珍しい家紋であっても、価値の高い着物の場合、紋消しをして流通させることが可能です。
着物の買取価格は、家紋の有無よりも着物そのものの質のほうが重要になります。
有名作家着物なら高額が期待できる可能性も
着物自体の価値が高ければ、家紋が入っていても高値で買い取ってくれる可能性があります。
有名作家が手がけたもの、伝統工芸品、ブランド品などは家紋の有無にかかわらず高額買取が期待できるでしょう。
証紙があれば着物の質を証明できるので、必ず査定の際に提示してください。
他にも、絹・麻・真綿などの良質な素材が使われているか、技術力はどのくらいか、メーカーや産地はどこかなどが査定に影響します。
また、もう一つ忘れてはいけないのが着物のサイズです。
小さいサイズの着物は着る人が限定されるので、需要が少なく買取価格も下がります。
逆に、身丈・裄丈(ゆきたけ)が長い着物の場合は、着る人を選ばないので比較的高値で売れる可能性が高いでしょう。
ただし家紋入りの喪服は買取不可の場合も
家紋入り着物の中でも、喪服だけは買取ができない可能性があります。
喪服は親族が集まる場所で着用するため、血のつながりを証明する意味もある家紋が異なっているのは、好ましくありません。
また、黒一色の喪服は家紋が目立つうえに、保管が長期間になるほど色あせも目立つところがデメリットです。
そういった理由から、喪服は中古での需要が少ないため、買取不可だったり査定額が下がったりする場合があります。
汎用性が高い訪問着や振袖、色留袖などと比較すると、喪服は売るのは難しいと考えてください。
ただし、質がよい喪服の場合は稀に買い取ってくれる業者もあるので、一度査定を依頼してみるのもよいでしょう。
家紋入り着物の買取相場
着物の種類 | 買取価格相場 |
色留袖・黒留袖 | ~6,000円 |
訪問着 | ~10,000円 |
喪服(ノーブランド) | 数百円~ |
喪服(ブランド品) | ~4,000円 |
有名作家物・伝統工芸品 | ~20,000円 |
※相場は目安であり、買取価格をお約束するものではありません。
※家紋の種類によっては価格が下がる可能性もあり、通紋以外は買い取っていない業者もあります。
家紋入り着物を高く売るポイント
家紋の種類によっては価値が下がってしまう家紋入り着物ですが、高値で売る方法もあります。
大切な着物の価値をなるべく落とさないためにも、以下の点に注意しましょう。
保存状態は良好か
家紋の有無にかかわらず、着物の買取には保存状態が大きく影響します。
カビやシミが発生していたり臭いが付着していたりすれば、高値での買取は難しいでしょう。
着物はデリケートで経年劣化しやすく、定期的に虫干しなどでメンテナンスをしなければなりません。
ただ、着る機会が少ない着物のメンテナンスは手間がかかることから、使う予定がない場合はなるべく早く売るのがおすすめです。
また、査定の前にはある程度の汚れを落としておきましょう。
食べこぼしや泥汚れなどはやわらかい布やティッシュで軽く拭き取る程度で十分です。
クリーニングに出す方法もありますが、査定額よりもクリーニング代のほうが高くなる場合も多いため、あまりおすすめできません。
汚れが落とせない場合は、そのまま査定に出しましょう。
家紋は消さずに売る
「家紋入りだと売れないから」と判断して、査定前に自分で家紋を消そうとする人がいますが、これは避けましょう。
刺繍の場合は自分で糸を解くこともできますが、跡が残ってしまうので価値を下げる原因になってしまいます。
染めの場合は家庭で消すことは難しく、無理に処理すれば生地を傷めてしまいます。
また、業者に依頼することもできますが、費用が査定額を上回ってしまえば損です。
着物そのものの価値を落とさないためにも、家紋は消さずに査定に出しましょう。
小物類も一式まとめて売る
帯などの小物類があればまとめて売りましょう。
特に需要が少ない喪服の場合は、小物も一緒に査定に出すのがおすすめです。
帯やバッグ、草履や帯まくらなど家紋が入っていない小物は中古品でも需要があります。
小物をセットにすることで、着物単体よりも高値で買い取ってくれる可能性が上がります。
小物だけでなく、着物の価値を表す証紙も併せて査定に出しましょう。
着物買取専門店で売る
査定が難しい着物買取は、業者選びも重要です。
着物を売る場合は、経験豊富な査定士がいる着物買取専門店を選びましょう。
リサイクルショップや古着屋、ネットオークションなどは手軽ですが、おすすめはできません。
どんなに価値がある着物でも、正しく査定してもらえなければ低価格を付けられてしまう可能性があるからです。
大切な着物を手放すのであれば、価値を理解してくれるお店を選びたいと考えるのが自然でしょう。
出張買取、現金買取に対応している業者であれば、負担も減すことが可能です。
家紋入り着物の処分方法
家紋入り着物も、種類や状態によっては買取を断られる可能性がありますが、ただ捨ててしまうのは気が引けるかと思います。
そこで今回はおすすめの処分方法をご紹介します。
人に譲る
家族や親族であれば家紋は同じなので、問題なく譲ることができます。
特に、礼装である黒留袖などは重宝されるでしょう。
着る機会が少ないのにもかかわらず、仕立てるとなると非常に高額なので、喜ばれる可能性があります。
ただし、家紋付きなので譲れる相手は限られます。
家族や親族であっても好みやサイズは違うので、無理に押し付けないように注意しましょう。
リメイクする
着物をリメイクして、別の形として活用するのもおすすめです。
色留袖や訪問着であれば華やかなので、和風テイストの小物やバッグなど普段使いのアイテムとしても使えます。
家紋の部分を避けて大きく使えば、和柄のワンピースやドレスにすることも可能です。
裁縫が好きな人であれば自分で加工したり業者に依頼したりして、本格的にリメイクするのもよいでしょう。
費用や手間はかかりますが、思い入れのある着物を長く手元に置いておけます。
団体に寄付する
捨てるくらいであれば、誰かに活用してもらいましょう。
着物は、NPO団体やリサイクル活動を行なっている市民団体、一部の大学などに寄付できます。
さまざまな形で活用してくれるので、多少の汚れや破れがあっても問題なく引き取ってくれるところがほとんどです。
ただし、郵送には費用がかかる場合があります。
寄付をする際は、団体のホームページなどをきちんと確認しましょう。
NPO法人グッドライフの「セカンドライフ」では着物の寄付を受け付けています。
団体によってはコロナの影響で現在受付を停止している場合もあるので、直接連絡して確認してみましょう。
まとめ
家紋入り着物も、質が高いものやブランド品であれば買い取ってくれる可能性があります。
一般的な着物と同じように大切に保管し、小物も揃えて査定を行いましょう。
ただし、喪服は買取を断られるケースがほとんどなので注意が必要です。
※ウリエルでは喪服は買取対象外です。
また家紋入り着物自体も基本的に買取不可ですが、お品物によっては高価買取となる可能性もあります。
まずはお気軽に無料査定をお待ちしております。
2つの買取方法