日本刀の鑑定書発行にかかる費用はいくら?相場や発行の流れも解説!

日本刀の価値を最大限に証明するためには、鑑定書の発行が欠かせません。
日本刀はその歴史的な価値と芸術性から多くのコレクターや愛好家に支持されていますが、真贋を証明するには専門的な鑑定が必要です。鑑定書の発行には費用がかかるため、その相場を知ることは重要です。
この記事では、日本刀の鑑定書発行にかかる費用の相場と、その発行の流れについて詳しく解説します。鑑定書の種類や手続きの詳細も紹介し、あなたの日本刀鑑定に役立つ情報をお伝えします。
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日本刀の鑑定書の費用

日本刀の鑑定書を取得するための費用は、依頼する機関や鑑定の種類によって異なります。
日本刀の鑑定は、高度な専門知識と技術が要求されるため、鑑定を行う機関ごとに設定された費用が存在します。鑑定書の種類や重要度によっても費用が変わってきます。
日本刀の鑑定書を取得するには以下の3つの方法があります。
- ・文化財保護委員会
- ・公益財団法人・日本美術刀剣保存協会
- ・NPO法人・日本刀剣保存会
ここでは、これらの3つの日本刀の鑑定書を取得する方法について詳しく解説します。
文化財保護委員会
文化財保護委員会による鑑定は、純粋に文化財としての価値評価であり、通常の鑑定機関のような審査料金は発生しません。ただし、指定を受けるためには、他の鑑定機関による評価や詳細な調査資料など、相応の準備と手続きが必要となります。
文化財保護委員会は、日本刀の鑑定書発行において非常に重要な権威を持つ機関です。文化財保護委員会は、国家認定の文化財を保護・管理する役割を担っており、日本刀の価値を適正に評価するための基準を設けています。
例えば、文化財保護委員会が発行する鑑定書は、刀剣の歴史的価値や文化的意義を詳細に記載し、正確な評価を提供します。
この鑑定書は信頼性が高く、特に希少な日本刀の購入や保有において非常に有用です。文化財保護委員会の認定によって、日本刀の真贋や価値に関する確固たる証明が得られるためです。
公益財団法人・日本美術刀剣保存協会
日本美術刀剣保存協会は、1948年に設立された日本刀の鑑定において最も信頼性の高い機関の一つです。日本美術刀剣保存協会の鑑定費用は、4つの審査区分と結果によって細かく設定されています。
下記表の審査料は合格時の金額であり、不合格時は大幅に減額されます。
保存刀剣 | 会員:27,500円 非会員:29,700円 |
特別保存刀剣 | 会員:38,500円 非会員:40,700円 |
重要刀剣 | 会員:242,000円 非会員264,000円 |
特別重要刀剣 | 会員374,000円 非会員396,000円 |
この階級付けが重要である理由は、日本刀の価値を客観的に証明できることにあります。特に売買の際には、同協会発行の鑑定書の有無や区分によって取引価格が大きく変動するため、多くの所有者が審査を申請しています。
NPO法人・日本刀剣保存会
日本刀剣保存会も日本刀の鑑定書を発行しています。この団体は、日本刀の文化的価値を保護し、広めるために設立されました。そのため、信頼性と権威のある鑑定書を提供しています。
NPO法人日本刀剣保存会の鑑定費用は、比較的シンプルな体系です。2023年9月の審査から新料金が適用され、より明確な費用設定となりました。
刀一振りまたは拵え一式の場合 | 会員:8,000円 非会員:10,000円 |
装剣具一点の場合 | 会員:6,000円 非会員:8,000円 |
合格時の鑑定書折紙料 | 15,000円 |
同保存会の特徴的な点は、審定書という補助的な鑑定書を発行する制度です。これは、銘は正しいものの保存状態が良くない場合や、現代に加工が施されている場合などに発行されるもので、その場合の追加料金は10,000円となっています。
日本刀の鑑定書の種類

日本刀を所有している方にとって、鑑定書はその価値を証明する非常に重要な書類です。日本刀にはいくつかの種類の鑑定書が存在し、それぞれの鑑定内容や認定基準が異なります。
「日本美術刀剣保存協会」の項目でも触れましたが、日本刀には以下の4つの区分があります。
- ・保存刀剣
- ・特別保存刀剣
- ・重要刀剣
- ・特別重要刀剣
鑑定書は、これら4つの区分にどれに該当するのかを証明する書類です。ここでは、これらの日本刀の主要な鑑定書の種類について解説していきます。
保存刀剣
保存刀剣は、日本刀の基本的な鑑定書の一つです。
大多数の日本刀所有者にとって保存刀剣の鑑定書は、日本刀の保存状態や価値を確認するための重要な書類です。この鑑定書があることで、日本刀の品質が保証され、所有者や購入希望者にとって安心感を提供します。
例えば、新しく日本刀を購入する際に保存刀剣の鑑定書が付いていると、その日本刀が適切に保存されていることが証明されるので、購入者は信頼して取引を進めることができます。
保存刀剣の鑑定書を取得することで、あなたの日本刀の信頼性と価値を証明し、将来的なトラブルを防ぐことができます。
特別保存刀剣
特別保存刀剣は、日本刀の中でも特に高い評価を受けたものに発行される鑑定書です。特別保存刀剣の鑑定書は、日本刀の文化的、歴史的価値を証明するために必要です。
例えば、江戸時代の著名な刀工が制作した日本刀が特別保存刀剣として認められることがあります。この場合、刀の製作年代や技術、保存状態などが鑑定され、高い評価を受けると特別保存刀剣の鑑定書が発行されます。
この鑑定書は、その刀がどれほど優れた芸術性や歴史的価値を持っているかを証明する重要な文書となります。日本刀の価値を保護するためには、高評価を受けた特別保存刀剣が重要な役割を果たします。
重要刀剣
重要刀剣に認定される日本刀は、文化的価値が非常に高いとされています。その理由は、重要刀剣が歴史的、文化的な背景を持ち、特別な技術や素材で作られたものが多く、学術的な価値も高いと評価されているためです。
特に鎌倉時代に作られた名刀や、著名な刀工の作品が重要刀剣に認定されることが多いです。こうした刀剣は単なる武具や工芸品を超え、当時の技術や文化、歴史を物語る貴重な資料としての価値を持っています。
重要刀剣の鑑定は厳格な基準に基づいて行われるため、認定を受けること自体がその刀剣の価値を保証するものとなります。そのため、重要刀剣に認定された日本刀は市場で高く評価され、コレクターや美術館からの需要が高まることが一般的です。
したがって、重要刀剣の認定は、所有者にとっても刀剣の価値を高める重要なステップとなります。
特別重要刀剣
特別重要刀剣の鑑定書は、日本刀の中でも特に価値の高いものに対して発行されるため、非常に重要です。
特別重要刀剣に認定される刀は、その背景や製作者の技術が最高と評価されるものに限られます。
例えば、日本の刀剣史に名を刻む有名な刀匠が製作した刀や、戦国時代の著名な武将に愛用された刀など、その一振り一振りに独自のストーリーが存在します。
これらの刀は美術品としての価値も非常に高く、保存状態や元来の研磨技術も含めて高く評価されます。
刀剣博物館や専門家による鑑定を受けることは、特別重要刀剣としての認定を受けるための第一歩です。この手続きを経ることで、刀の正真性が証明され、その価値が公認されるのです。
鑑定書の発行には時間がかかることが多いですが、その価値と信頼性を保証するためには欠かせないプロセスです。
日本刀の鑑定書発行の流れ

日本刀の鑑定書を発行するプロセスは、詳細で複雑です。しかし、適切な手順を踏めば、きちんとした評価を得ることができます。
鑑定書の発行には、以下の4つのステップがあります。
- ・事前準備
- ・申請の準備
- ・鑑定の実施
- ・結果通知と鑑定書発行
特に重要なのは、各段階での正確な手続きと必要書類の準備です。鑑定機関によって審査基準や必要書類が異なるため、事前に十分な情報収集と準備が必要になります。
ここでは、これらの日本刀の鑑定書発行の4つのステップについて詳しく解説します。
事前準備
鑑定書を発行するためには、事前準備が必要です。計画的に準備を進めることで、スムーズに鑑定を進行することができます。不備がある場合には手続きが遅れる可能性があるため、しっかりとした準備が欠かせません。
まず、必要な書類を事前に集めておくことが重要です。鑑定を依頼する日本刀の状態も確認しておく必要があります。刃こぼれや錆などの状態が鑑定結果に影響することがあるため、適切な手入れを行いましょう。
鑑定には相応の費用が発生するため、予算の確認も欠かせません。鑑定結果によって費用が変動することもあり、さらに鑑定機関の会員・非会員で料金体系が異なる場合もあるため、事前に詳細な費用確認が必要です。
このように、しっかりと事前準備を行うことで、効率よく鑑定書の発行を進めることができます。
申請の準備
日本刀の鑑定書を発行するためには、鑑定に必要な書類や情報を事前に整える必要があります。
具体的には、以下の4つが必要です。
- ・所有者証明書
- ・購入証明書
- ・刀の詳細情報(長さ、重さ、銘など)
- ・身の現状を示す写真
所有者証明書は日本刀の所有権を証明する書類であり、購入証明書は購入日や購入価格などを記載したものです。刀の詳細情報として、刃長、反り、重さ、銘文(刻まれた文字)などを記載した資料も必要です。
申請書類には刀身の現状を示す写真も添付する必要があります。これにより、鑑定士が物理的に見る前に基本的な評価を行うことが可能となります。写真は高解像度で、刃文や刻印などの細部がはっきりと見えるように撮影することが望ましいです。
適切な書類と情報を用意しておくことで、申請後の手続きがスムーズに進み、鑑定結果を早めに受け取ることができます。
鑑定の実施
鑑定の実施は、日本刀の価値を正確に把握するために不可欠なステップです。専門の鑑定士が日本刀の真贋や保存状態、そして歴史的価値などを詳細に調査します。
例えば、鑑定士は鋼質の分析を行い、刀身に刻まれた刀工の銘を確認します。刀身の刃紋の状態を評価することで、その刀がどれほどの技術と芸術性を持つかを判断します。こうした詳細なプロセスを経てこそ、日本刀の信頼性と価値が確立されるのです。
鑑定の正確性が日本刀の価値を左右するため、このプロセスは大変重要です。日本刀が文化財としての価値を持つものか、あるいは現代に作られたものか、さらにはその状態が保存に適しているかどうかなど、全ての要素が鑑定に影響を及ぼします。
結果通知と鑑定書発行
鑑定が完了すると、結果通知と共に公式な鑑定書が発行されます。
日本美術刀剣保存協会が発行する公式の鑑定書は、日本刀の正式な評価と認識の証明となり、その価値を裏付けます。この鑑定書には刀剣の詳細な情報が記載されており、その信頼性は非常に高いです。
鑑定書の取得は日本刀の価値や真贋を確定するために非常に重要です。鑑定書があることで、日本刀の歴史的、文化的価値が正式に認められ、保有者にとっても大きな安心感が得られます。
売買や譲渡を行う際にも信頼性の高い鑑定書があることで、取引がスムーズに進むことが期待されます。
日本刀の鑑定書発行の注意点

日本刀の鑑定書発行にはいくつかの注意点があります。特に考慮すべきなのは、鑑定制度の独特な仕組みと時期的な制約です。
鑑定は一度に最上位の区分を目指すことはできず、段階的な審査が必要となります。また、審査機会は年間で限られた回数しかないため、長期的な計画性が求められます。
ここでは、それらの注意点について詳しく解説します。鑑定書発行までには時間がかかることや、追加の審査や費用が発生する可能性がある点に留意しておく必要があります。
鑑定は段階的に受ける必要がある
日本刀の鑑定制度において最も重要な特徴は、段階的な審査システムを採用していることです。どんなに優れた刀剣であっても、最初から上位の区分を目指すことはできません。
このような段階的な審査システムが採用されている理由は、日本刀の価値評価を慎重かつ正確に行うためです。各段階で異なる評価基準が設けられており、刀剣の時代、作風、保存状態など、多角的な観点から詳細な審査が行われます。
具体的には、まず「保存刀剣」の審査から始める必要があります。その後、より上位の「特別保存刀剣」、「重要刀剣」、「特別重要刀剣」という順序で審査を受けることになります。
一度の審査で不合格となった場合でも、再度の挑戦が可能です。実際に、2回目や3回目の審査で合格となるケースも報告されています。これは鑑定が単なる形式的な評価ではなく、刀剣の真の価値を見極めようとする姿勢の表れと言えます。
審査の機会は限られている
日本刀の鑑定において、重要な制約の一つが審査機会の限定性です。これには、審査の質を担保するため、文化財としての価値を慎重に見極めるためなどの理由があります。各区分によって審査実施回数が異なり、計画的な申請が必要です。
最も基本的な「保存刀剣」と「特別保存刀剣」の審査は年間8回程度実施されますが、より上位の区分になるほど機会は限られてきます。「重要刀剣」の審査は年1回のみ、最上位の「特別重要刀剣」に至っては2年に1回しか実施されません。
鑑定を希望する所有者は、自身の刀剣がどの区分に該当する可能性があるかを見極めた上で、審査スケジュールを確認し、計画的に申請を行う必要があります。特に上位区分を目指す場合は、段階的な審査の必要性も考慮に入れ、より長期的な視点での計画が求められます。
鑑定書発行まで時間がかかる
日本刀の鑑定書を発行するには、通常多くの時間が必要となります。これは、鑑定に高度な専門知識と技術が求められるためで、詳細な調査と分析が必要だからです。鑑定を担当する専門家のスケジュールや作業内容も時間に影響します。
例えば、日本美術刀剣保存協会の場合、通常3~4か月の時間がかかるとされています。日本刀の鑑定から鑑定書の発行までには数週間から数か月かかる場合があります。
鑑定書が必要な場合は、時間に余裕を持って申請することが非常に重要です。
日本刀の鑑定書に関するよくある質問

日本刀の鑑定書に関する疑問や不安を解消するため、よくある質問を集めて解説します。鑑定書の発行プロセスや、その後の対応についての詳細を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
- ・鑑定書は何度でも発行してもらえますか?
- ・鑑定書を紛失した場合どうすればいいですか?
- ・鑑定書を紛失した場合どうすればいいですか?
- ・鑑定書の有効期限はありますか?
ここでは、これらの質問について詳しく解説します。
鑑定書は何度でも発行してもらえますか?
鑑定書の再発行が可能かどうかは、発行された機関によって異なります。
例えば、日本美術刀剣保存協会の鑑定書は、特定の条件下でのみ再発行や書き換えが可能です。基本的な方針として、誰でも何度でも自由に発行できる仕組みにはなっていません。
再発行や書き換えが認められるケースは主に3つあります。
- ・鑑定書に記載されている銃砲刀剣類登録証の内容が変更された場合
- ・鑑定書に誤記や脱字があった場合
- ・鑑定書が破損や汚損した場合
再交付を受ける際は、対象となる日本刀の現物確認が必要となり、協会での預かり期間も必要となります。その他にも手数料が発生し、鑑定書の種類によって金額が異なります。
鑑定書は慎重に保管し、破損がないように注意が必要です。
鑑定書を紛失した場合どうすればいいですか?
鑑定書を紛失した場合に再発行が可能かどうかは、発行された機関によって異なります。
例えば、日本美術刀剣保存協会の鑑定書を紛失した場合の対応は、鑑定書の種類によって異なります。基本的な方針として、一般的な鑑定書の紛失に対する再発行制度は設けられていません。
重要刀剣や特別重要刀剣の指定書を紛失した場合に限り、「重要刀剣等指定証明書」の交付を受けることができます。これは同一の物件につき1回限りの申請が認められる特別な制度で、申請には手数料が必要です。
鑑定書を紛失した場合、まずは発行元に連絡して再発行の手続きを行います。場合によっては再鑑定が必要になることもあるため、発行元の指示に従うことが重要です。
鑑定書の有効期限はありますか?
日本刀の鑑定書には有効期限がある場合があります。一部の鑑定機関では、定期的な再鑑定を求めることがあり、時間の経過とともに鑑定の正確性が変わる可能性があるためです。
例えば、日本美術刀剣保存協会では、保存刀剣の鑑定書は10年ごとに再鑑定が必要となる場合があります。
このため、日本刀の価値を正しく保つためには、鑑定書の有効期限を確認し、必要な再鑑定を行うことが重要です。再鑑定を受けることで、鑑定の信頼性を維持し、日本刀の高い価値を保つことができます。
鑑定書がないと日本刀は売れませんか?
日本刀は鑑定書がなくても売ることが可能ですが、その際には価格に影響することがあります。鑑定書があることで、その日本刀の価値や真贋が確認できるため、購入者にとっては安心感があり、取引において高い価格が期待できるからです。
同じ種類や状態の日本刀でも、鑑定書がある場合とない場合では数十万円以上の価格差が生じることがあります。これは特に美術的価値や歴史的価値が高い日本刀の場合に顕著です。
より高い価格で日本刀を売りたい場合は、鑑定書の取得を検討すると良いです。日本美術刀剣保存協会やNPO法人日本刀剣保存会などの鑑定機関に依頼することで、信頼性の高い鑑定書を取得することができます。
これは売却時だけでなく、購入者に対する信頼性を向上させ、取引のスムーズさを図る上でも非常に重要なポイントとなります。
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まとめ
日本刀の鑑定書発行にかかる費用、種類、発行の流れ、注意点などの内容をまとめると、日本刀の鑑定書発行は専門機関での手続きが必要で、費用もかかることが分かります。
発行の流れとしては、事前準備、申請、鑑定の実施、そして結果通知と鑑定書発行までのステップがあり、時間がかかることや追加費用が発生する場合がある点に注意が必要です。
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